実質賃金、10カ月連続マイナス=4.1%減、14年5月以来の下げ幅―1月

時事通信社
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都内 ビジネスマン
厚生労働省が7日発表した1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、労働者1人当たり平均の現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比4.1%減少した。(i-stock/ponsulak)

 厚生労働省が7日発表した1月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、労働者1人当たり平均の現金給与総額(名目賃金)に物価の変動を反映させた実質賃金は、前年同月比4.1%減少した。物価の高騰が響き、2014年5月(4.1%減)以来、8年8カ月ぶりの下げ幅となる。前年を下回るのは10カ月連続。

 14年5月は、前月に消費税が5%から8%に増税された影響が大きかったが、今回は電気代やガス代、食品など、先の見えない物価高騰が要因だ。実質賃金の算出に使う1月の消費者物価指数は5.1%も上昇。一方、名目賃金の伸びは0.8%増とわずかで、賃金の目減りに拍車を掛けた。

 1月の名目賃金は、1人当たり平均で27万6857円。就業形態別では、正社員ら一般労働者が1.3%増の36万510円。パートタイム労働者は0.8%増の9万8144円だった。賃金水準の低いパートタイム労働者の比率が31.86%と0.46ポイント上がったことも、名目賃金全体の伸びが低迷した一因となった。

 来週に集中回答日を迎える大企業の春闘では賃上げへの期待感が高まっており、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員は、名目賃金の上昇傾向は続くと見込む。ただ物価も高水準で推移するとみられ、「物価上昇の影響を和らげるには、中小企業での賃上げの広がりが欠かせない」と指摘した。

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