藤本昌義双日社長はインタビューに応じ、2024年春にも人事制度を見直し、成果次第で大幅増収を見込める柔軟な給与体系に変更する考えを明らかにした。藤本氏は「成果を挙げた人にはより給与をアップし、成果が出ない人は下げる」と従来の年功序列の発想を転換する方針を表明した。
藤本氏は、「管理職ではなくても稼げる人には課長、部長級の給与を支給していい」と強調。同時に、「高給を得ているにもかかわらず何もせず、転職もしないのは困る」と述べ、実績や勤務態度によっては大幅減額もあり得るとの姿勢を示した。
米国などと異なり、雇用主による一方的な解雇が難しい日本の労働法制については、「年功序列の中で働かなくなってしまった人には転職してもらい、必要な人の給与を上げることはやるべきだ」と述べ、早期の改正が必要との考えを示した。
一方、近年注力する農業について藤本氏は、「地方活性化のため、今やらなくてはならない事業。農家の高齢化が進んでおり、このままでは農業技術も食料も失われる」と危機感を募らせる。
昨年は東北地方で地元の農業法人などと共同でタマネギの産地づくりに着手した。藤本氏は「(同様の取り組みを)全国に広げたい」とも述べ、ニンジンなど輸入が多い作物を念頭に事業拡大への意欲を示した。