コストコ専門ネットスーパーに登録者が殺到した背景――コストコ愛用者の隠れたニーズとは
コストコならではの購入体験に魅力がある
SocTocが多くの反響を呼ぶ裏側には、コストコの立地も関係していると大里氏は説明する。コストコの店舗は郊外立地が中心で、最寄り駅から遠いケースも多く、クルマがなければ来店が難しい店舗が多い。
「あるデータによると、23区内に住む人のクルマ所持率は全体の3分の1程度。クルマを持っている人でも、休日にコストコに行くと混雑から数十分の駐車場待ちをすることもざらにある。頻繁に行ける人でなければ、税込4840円(ゴールドスタータイプ)もかかるコストコの年会費が高くついてしまう。こうした背景から、より多くの人が気軽にコストコ商品を手にできる仕組みをつくりたかった」と大里氏は述べる。
大里氏は10年ほど前から大のコストコ好きだったという。その理由は「コストコには一般的な食品スーパーでは見られない食品が数多く並んでおり、そういった商品を新たに発見する楽しさがある」からだと語る。多くの人にコストコの魅力を伝える手段として、SocTocの立ち上げに至ったというわけだ。
運営会社のWeCanDoItは、大里氏をはじめ従業員の半数以上がエンジニアで構成される。コストコならではの購入体験をオンラインでつくる上で、テクノロジーの活用を積極的に取り入れてUI/UX(ユーザーエクスペリエンス/ユーザーインターフェイス)を追求していきたいと大里氏は語る。
「商品のスケール感の大きさもコストコの魅力の1つ。今後は、AR(Augmented Reality:拡張現実)を活用し、カートに商品を入れるとピザなどの商品が実寸大で机の上に現れる仕組みをつくっていきたい」(大里氏)