「デジタル化と小売業の未来」#13 若者の間で広まる「ストップウォッチショッピング」「ウィッシュリストショッピング」とは何か?
時間がない人ほどECを利用する
時間のない人がデジタルで買う傾向が非常に高い傾向にあるため、ふだんからデジタルで商品を買い慣れているのは、比較的若者が多くなっています。一方、時間に余裕がある人はわざわざ急いで買うというモチベーションが発生しません。時間とデジタル消費は比例関係になるため、若者の中でも時間がある学生であれば「友達と店舗に買物に行くことが楽しい」という人も多く、デジタルで購入するのが最も多いのはやはり仕事をしている時間のない人々です。彼らは、とにかく短時間で買物したいと考えているため、どんどんEC化率が上がっています。
![時間がない人ほどECの利用率が高い傾向にある](https://diamond-rm.net/wp-content/uploads/2021/10/dcs13-03.png)
忙しく時間がない世代は、仕事をしているぶん消費意欲も高い反面、常に時間に追われているため、その買物行動には劇的な変化が起こっています。しかし、そのような傾向を整理して把握することで、ターゲットに対して小売事業者が取るべき施策が見えてくるはずです。忙しくても店舗に行きたいと思わせる新たな魅力をつくるのか、ネットと連動して店舗そのものの利便性を高めるのか、これから舵を切る戦略次第で小売業界での明暗が分かれることになるでしょう。
プロフィール
望月智之(もちづき・ともゆき)
1977年生まれ。株式会社いつも 取締役副社長。東証1 部の経営コンサルティング会社を経て、株式会社いつもを共同創業。同社はD2C・ECコンサルティング会社として、数多くのメーカー企業にデジタルマーケティング支援を提供している。自らはデジタル先進国である米国・中国を定期的に訪れ、最前線の情報を収集。デジタル消費トレンドの専門家として、消費財・ファッション・食品・化粧品のライフスタイル領域を中心に、デジタルシフトやEコマース戦略などのコンサルティングを手掛ける。
ニッポン放送でナビゲーターをつとめる「望月智之 イノベーターズ・クロス」他、「J-WAVE」「東洋経済オンライン」等メディアへの出演・寄稿やセミナー登壇など多数。
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