「デジタル化と小売業の未来」#13 若者の間で広まる「ストップウォッチショッピング」「ウィッシュリストショッピング」とは何か?
ウィッシュリストに商品を入れるだけで満足する人も
ほかには「ウィッシュリストショッピング」という消費行動もあります。現在はネットやSNSで情報が爆発的に溢れているため、情報のインプット量が飛躍的に多くなっています。一昔前であれば、TVCMなどを見てその商品が欲しいと思った場合、学校や仕事で平日に買物する時間を確保できないため、最短でも手に入るのは週末で、それまでそのことを覚えていなければなりませんでした。
しかし、今はアマゾンなどで自分のショッピングカートやウィッシュリストにとりあえず欲しい商品を入れておけば、自分で覚えておく必要はありません。結局忘れてしまって買わない場合もありますが、現代では覚えることが増えているせいで、とにかく「デバイスに情報を入れて自分は忘れたい」というマインドがあり、欲しいものは買物に行けるようになるタイミングまで覚えておくものではなく、ウィッシュリストやショッピングカートにとりあえず入れておくものになっているのです。リストやカートに入れておくことが楽しくて、それに満足する人もたくさんいますし、それ自体を買物行動として楽しむような傾向も増えているほどです。デジタルが普及することで、週末に買物に行くこと自体が楽しいという気持ちはこれらの消費行動により日に日に薄まっているのです。