コロナで激変した消費・買い物傾向 食品スーパーの商品政策はこう変わった!21年はこうなる!!

「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部 松尾友幸
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食品MD680

“特需”でも油断は禁物

 食品小売業において、企業の売上・利益を左右する商品政策(MD)の重要性は言うまでもない。各社は長年、事業環境や消費者ニーズの変化に対応しながら売上・利益アップの方法を模索してきた。そこに現れたのが新型コロナウイルスだ。2020年に世界的に感染が拡大した未知のウイルスの影響は甚大で、これまでの消費行動がガラリと変わることとなった。同じ食品小売業でも、食品スーパー(SM)が“特需”に沸く一方、総合スーパーやコンビニエンスストアは業績を落とすなど、業態間で明暗が分かれている。

 好調なSM各社も油断は禁物だ。感染拡大初期は既存店売上高が対前年同期比2ケタ増となった企業も多かったが、20年夏以降は前年並みの売上水準に戻り始めた企業もみられる。また、コロナ禍ではECや「ウーバーイーツ」などのフードデリバリーを利用する人も増えており、今後もSMが好調を維持できるかは不透明だ。

 そのほか、SM同士の競争も激化すると予想される。ダイヤモンド・チェーンストア誌が毎年実施している食品小売業のバイヤーを対象としたアンケートでは、競合として意識している業態として、SMを挙げるバイヤーが最も多かった。回答者の多くがSM企業のバイヤーで、昨年はドラッグストア(DgS)などの異業態を挙げるバイヤーが多かったことを考慮すると、今年は同質化競争に陥らないように好調な同業同士を意識する傾向が高まったといえる。

 こうした状況下、他社との差別化につながるMDの重要性はますます高まっている。ワクチンの接種による集団免疫の確保にはまだ時間がかかるうえ、「コロナ禍で変容した消費行動は元に戻らない」と予想する業界関係者も少なくない。このような背景から、多くの企業が、20年に引き続き、21年以降もコロナ禍で変化した消費行動に対応しながらMDを組み立てていく考えだ。

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