ウォルマート、スーパーセンターの運営にチーム制導入、一部従業員の時給引き上げ

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ウォルマートの従業員
ウォルマート、スーパーセンターの運営にチーム制導入、一部従業員の時給引き上げ

 米ウォルマートは10月から、米国内の総合ディスカウントストア業態「スーパーセンター」の運営にチーム制を導入する。会員制倉庫店の「サムズクラブ」では数年前から、食品スーパー業態の「ネイバーフッドマーケット」でも今年から店舗運営にチーム制を導入しており、主力業態であるスーパーセンターにも広げる。

 従業員を小さなチームに分け、チームが受け持つ業務については全員がこなせるように教育・訓練を行う。例えば、生鮮食品の加工処理を担当している従業員が、値付けや在庫確認・補充、ルール通りの陳列などの作業を行えるようにする。これにより、チーム内で交代で休暇を取ったり、忙しい時間帯にサポート業務に回ったりするなど勤務シフトが組みやすくなる。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大以降、EC(インターネット通販)の利用が急増し、店頭での商品のピッキングや出荷の作業が増えており、店舗全体での人員配置の見直しもしやすくなる。従業員にとっては、新しいキャリアパスや昇給の機会が広がるとしている。

 チームのリーダーは「チームリード」(従来は部門マネージャー)という役職とし、業務の遂行だけでなく人材開発などの任務を与える。チームリードの時給は18〜21ドルから始まり、最高で30ドルまで昇給する。

 チーム制の導入に伴い、ストアマネージャーを補佐する共同マネージャーは「ストアリード」、アシスタントマネージャーは「コーチ」に役職名を変更する。一方、総菜とベーカリー部門の担当者は生産加工、自動車用品部門の担当者は自動車整備の技術が必要なことから、最低時給を11ドルから15ドルに引き上げる。米国のスーパーセンター全体では、合計で16万5000人が時給アップの対象となる。

 ウォルマートは2018年1月に最低時給を10ドルから11ドルに引き上げたが、アマゾン・ドットコムや会員制倉庫店最大手のコストコの最低時給は15ドルとなっており、人材確保の点からも時給アップの必要性が生じていた。

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