ドンキ親会社とファミマの2社が筆頭株主の総菜専門会社がコロナ禍で出店強化する理由 

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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総菜新戦略

カネ美食品、専門性の高い商品開発体制で新しいニーズに対応し、積極出店に出る!

1969年創業のカネ美食品(愛知県/園部明義社長)は、テナント事業と外販事業を両輪に展開する総菜専門の事業会社だ。同社は現場で顧客の声に耳を傾け、消費ニーズを反映させた商品を、迅速に開発・提供できることを強みに成長を遂げてきた。今回の新型コロナウイルス感染拡大による大きな環境変化も好機ととらえ、積極出店を図ろうとしている。

食卓出現率の高い定番商品10品を磨く

カネ美食品の園部明義社長
カネ美食品の園部明義社長

 カネ美食品は、東海・関東・関西・北陸エリアを中心に、ユニー(愛知県)の「アピタ」「ピアゴ」などの総合スーパー(GMS)をはじめ、百貨店や駅ナカなどに出店するテナント事業と、コンビニエンスストアのファミリーマート(東京都/澤田貴司社長)を主軸に、弁当やおにぎり、パスタなどの製造を受託する外販事業の2つを柱に成長を続けてきた。2020年2月期の全体売上高は847億円で、2つの事業の割合は五分五分という、珍しい事業構成である。

 GMS内でのテナント事業において注力してきたのが、出来たてを訴求できる、インストア商品の強化だ。

 なかでも、唐揚やおにぎり、とんかつといった定番メニュー10品目に焦点をあて、商品をブラッシュアップし、売上を伸ばしてきた。その理由についてカネ美食品の園部明義社長は「食卓出現率の高い定番商品の売上高構成比が高いほど、お客さまからの信頼を得られていると考える」と説明する。

 直近の20年2月期は、同社にとって創業50周年にあたる節目の年だった。

 加えて、同期中の19年4月には筆頭株主のユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)がユニーの全株式を、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東京都/吉田直樹社長:以下、PPIH)へ譲渡したことにより、PPIHとファミリーマートがそれぞれカネ美食品の株式27.01%を持ち、両社が筆頭株主となる体制へと移行した変化の年でもあった。

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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