ウォルマート、アルディに学ぶ、物流を制する方法 店内物流とは
ウォルマートとアルディ、両社に共通すること
物流を制する者が小売業を制する時代が到来している。現代の米国では物価の高騰の中、ディスカウントストアのウォルマート(Walmart)とハードディスカウントのアルディ(Aldi)が、競合他社が追随できないほどの熾烈な価格競争を展開している。
アルディは牛乳や卵といった生活必需品を中心に、1セント単位で安く販売し、顧客の人気を獲得している。一方ウォルマートの売価は一部の商品ではアルディに負けているものの、商品構成の総合力(たとえばファインラインという選べる品揃えや多くの用途をカバーする品揃え)で圧倒的な優位性を保持している。
この2社に共通するのは、「物流」と「生産性」起点に基づいた仕組みづくりにより、「安価に販売しても営業利益を確保できる」点だ。ウォルマートは商品の調達から店舗への自社トラックによる配送、店舗での補充作業(店内物流)に至るまで、カテゴリーごとの営業利益が出る作業の仕組みと、データを活用した店舗ごとの商品構成が強力な武器だ。商品構成にはデータマイニング(パターン認識、AIなど活用)を駆使し、ユニット・コントロールを実施することで、店別の最適な品揃え(同じ棚割りの店をみつけるのが難しいほど、陳列SKU、フェース、陳列位置などが店舗ごとに異なる)を実現している。一方、アルディは