新しいスーパーマーケット像
「“家庭の冷蔵庫”代わりになりたい」と公言している食品スーパー(SM)企業は少なくない。
「しかしいまや時代は変わった」と新しいSMの形を模索するのは、阪食(大阪府/千野和利社長)の志水孝行取締役だ。
同社が多店舗展開する《高質食品専門館》が目指すのは「“家庭のキッチン”代わり」だ。
意味するところは、従来のように素材を売るのではなく、煩雑な下ごしらえや調理を消費者に代わってSM店舗が担い、半加工品のハーフデリや総菜などとして販売する、ということになる。
志水さんの頭の中にあるSM像は、さらなる将来も見据えている。
「今後、高齢化が進む中でSMは、レストランスペースとコミュニケーションの場になると思います」。
根拠は、志水さんの売場観察にある。
最近は、午前中に買物をする前に友人同士で集い、1時間ほど、レストスペースで簡単に何かをつまんで雑談をした後、買物をしてから帰宅する消費者が増えているからだという。
志水さんは、その実現に向けて、SM店舗にイートインを導入して、レストスペースを設け、人が集える場としての店舗像に思いを巡らせている。
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