ラッピングフィルム市場、保存ニーズの高まりによりラップの使用頻度がアップ

山田 陽美
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節約意識や、共働き世帯増加によるつくり置き保存ニーズの高まりを受けて需要が増えているラッピングフィルム市場。コロナ特需以降も堅調に推移しており、使用頻度が高まっていることが予想される。

内食生活の定着で、ラップの金額PIは微増

 ラッピングフィルムのKSP-POSデータの期間通算(2021年10月~22年9月)金額PIは、2155円で対前年同期比3.4%増。月別金額PIでは6月以外、すべての月で前年を上回った。コロナ禍の内食生活の定着により、ラップの使用頻度が上がっていることに加え、物価高騰による節約意識により、食品保存のニーズが高まった。

サランラップ
コロナ特需以降も堅調に推移しており、使用頻度が高まっていることが予想される。(i-stock/FotoDuets)

 ラップのサイズ別では、15㎝、22㎝、30㎝の3サイズがあり、世帯人数の減少で大皿に対応した30㎝サイズは縮小傾向にあり、汎用性の高い22㎝がボリュームゾーンとなっている。使用頻度が高まっていることから容量別では50mの長尺タイプへの移行が進んでおり、店頭での単価アッ節約意識や、共働き世帯増加によるつくり置き保存ニーズの高まりを受けて需要が増えているラッピングフィルム市場。コロナ特需以降も堅調に推移しており、使用頻度が高まっていることが予想される。プにつながっている。

 ラップ市場をリードしているのが、ポリ塩化ビニリデン製の商品。旭化成ホームプロダクツの「サランラップ」と、クレハの「NEWクレラップ」が2大ブランド。市場の8割のシェアを占める。ポリ塩化ビニリデン製のラップは、密着性が高く、水蒸気や酸素を通さないので食品の乾燥や劣化を防ぎ、におい移りもしない。さらにハリ・コシがあるため丈夫で切りやすい。また熱にも強いため、電子レンジでの解凍時に使用することも可能だ。

 クレハでは、より使いやすくパッケージを進化させてきた。直近では、21年に使用方法や巻き戻ったときの復旧方法を記載したホームページへアクセスできるQRコードをパッケージに記載した。

 また同社では、SNSを活用した「おにぎりプロジェクト」を継続して行っている。おにぎりづくりにラップを使うことで子供でも衛生的で簡単に楽しみながらつくれることを訴求している。

 旭化成ホームプロダクツでは、今年から「サランラップ」と「ジップロック」共同で、「冷凍貯金」をキーワードにしたプロモーションを展開。食材やおかずを冷凍ストックしておくことで、忙しい毎日の暮らしにゆとりをうむ新しい習慣のことだ。下期に向けては、テレビCMやWEB広告のほか、全国キャンペーンを行い、さらに「冷凍貯金」を浸透させていく。

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