23年7月1日号 決算ランキング2023
毎年恒例の決算特集の時期がやってまいりました。 上場小売業の2022年度決算は、世界情勢の混乱を背景とした仕入れ価格の上昇、それに伴う値上げラッシュ、電気代をはじめとするエネルギーコスト高騰と外部要因に翻弄されました。前年度に巣ごもり需要の恩恵を受けた業態・企業は、その反動減の影響も大きく受けています。 ただ、強い逆風が吹いたなかでも一部の優良企業は過去最高の業績を叩き出しており、企業間の格差が鮮明となっている側面もあります。22年度の各業態各社決算の結果を振り返りながら、動向を徹底分析します。
編集後記
今回の決算ランキング特集を通じて個人的に気になっているのは、「売上高1兆円」を中長期の目標として掲げる大手SMが出てきている点です。たとえばライフコーポレーションは新中計で「2030年度に1兆円」、イオングループでは傘下のU.S.M.Hが24年に予定しているいなげやとの経営統合を前に「関東における売上高1兆円SM構想」を打ち出しました。非上場企業ではありますが、ロピアに至っては「31年までにグループ売上2兆円」をめざしています。 誰がいちばん最初に「1兆円SM」という前人未踏の域に達するのか。その途上ではどんな出来事が待ち受けているのか。ランキング上位の顔ぶれや順位は年単位で変動しそうな雰囲気です。
(雪元)
今号の決算特集では「家電量販店」の編集を担当しました。同業界では各社、家電以外のカテゴリーを強化する動きが目立ちます。たとえばヤマダHDは「暮らしまるごと」戦略のもと家具販売やリフォーム事業に力を入れています。以前、同社が運営する「TeccLIFE SELECT 前橋吉岡店」に行った際、売場全体に占める家電の割合は半分程度でした。残りは家具や水まわり商品(トイレ、洗面所、浴室、キッチン)など。「暮らしまるごと」戦略を始めた当初、ヤマダHDは家電以外の扱いがあることをお客にアピールするため入口付近にそれら商品を配置していましたが、今やその認知が十分に広まり配置を元に(家電を入口付近に)戻したそうです。
(中原)