セブン&アイが食品スーパーの新業態出店へ、その狙いは!?
セブン&アイグループでは、食品スーパーの事業会社であるヨークベニマル(福島県/真船幸夫社長)やヨークマート(東京都/大竹正人社長)のほか、総合スーパーを展開するイトーヨーカ堂も食品スーパー業態を展開している。今回の新業態出店で気になるのは、なぜわざわざ別会社を設立してまで食品スーパー店舗を出店したのかという点だ。
一般的に考えれば、コンビニエンスストアと食品スーパーを補完する、隙間を埋めるような新しい都市型業態を作り上げたかったということになるだろう。もっと言うと、井阪セブン&アイ社長の深謀遠慮が働いているのではないだろうか。“ヨーカドー式”のやり方にどっぷりと浸かった人材では、新たな食品スーパーの発想ができないため、「新しき酒は新しき革袋に盛れ」ということなのだろうか。
都市型スーパーについては、小売大手が種々実験を始めている。イオングループでは東京、神奈川で小型スーパーの「まいばすけっと」を約700店舗展開している。食品スーパー最大手のライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長)も大阪市内に「ミニエル」という約250㎡規模の小型の新業態を出店しており、総菜の売上高構成比を従来の10%から40%までに高める実験を行っている。少子高齢化の進行による中食需要が高まりを追い風に、出来立ての総菜、新鮮な生鮮品といった、従来のコンビニエンスストア業態では供給不可能だった商品を提供する新たな小型業態の開発が今後活発化していきそうだ。