ワークマン新業態がオープン、時間帯によって店内演出を変更する“二枚看板店”

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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どの客層にとっても「自分の店」だと思えるような店舗

 ワークマンがさいたま佐知川店でこのように看板や内装を変化させるのは、「WORKMAN Plusで販売しているのと同じ商品をWORKMANでも100%購入できること」を一般客にアピールするためである。同社では、2018年から一般向けの高機能ウェアを中心に取り扱う「WORKMAN Plus」が好調に推移しているが、WORKMANWORKMAN Plusで取り扱っている商品が異なると思っている一般客が多いという。今回の取り組みを通じて、WORKMANの既存店へも一般客の来店を促したい考えだ。

 その一方、既存のWORKMAN店舗の一部の顧客からは「自分たちのWORKMANが変わってしまった」との声もあったという。「一般のお客さま・プロのお客さまの双方にとって『自分の店』だと思えるような店舗をつくりたかった」(ワークマン専務取締役の土屋哲雄氏)。まったく同じ商品でも、見せ方を変えることにより、プロ客には9割の、一般の男性客には7割の、一般の女性客には5割の製品が自分の購入対象に見えることを想定しているとのことだ。なお、さいたま佐知川店では、駐車場のフル回転を前提に初年度の売上目標を3億円に設定している。

女性向けのSサイズ商品を約2倍に

 今回の新戦略発表会では、2020年春夏の新商品も多数紹介された。なかでも注目したいのが、女性向け商品の強化だ。商業施設などに出店したWORKMAN Plusでは、女性客の比率が半数を超えているという。これを受け、路面店でも女性専用製品の売場を拡充するほか、主力のユニセックス商品でも、女性向けのSサイズを19年の35アイテムから20年では79アイテムに拡充する。また、199月からは、著名の女性ブロガーとのコラボ企画「ワークマンアンバサダープロジェクト」を開始しており、今後も女性目線の意見を積極的に取り入れ、商品開発に生かしていく考えだ。

WORKMAN Plusの女性客増を受け、路面店でも女性客向けの売場を拡大する
商業施設に出店したWORKMAN Plusの女性客増を受け、路面店でも女性客向けの売場を拡大する

 今後はさいたま佐知川店での動向を見ながら、今回の取り組みを新店や既存店の改装店舗で部分的に取り入れていく考えで、同店とまったく同じような店舗を水平展開するわけではないという。あくまで商品の見せ方を工夫するための実験を行う店舗の位置づけのようだ。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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