イオン九州が密かに実験する小型新業態「ニコキッチン」の全容

雪元 史章 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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小型店モデルの実験拠点に

ニコキッチン六本松
店頭には「イオン」の文字やロゴは一切掲げられていない

 一方、六本松店で何よりも気になるのは、イオン九州の運営にもかかわらず、イオン的な要素がほとんど感じられない点だ。ファサードを見ても店内を見ても、イオンのロゴ等は掲げられておらず、一見したところ、イオングループが運営する店とはわからない。イオンの”色”を意図的に排しているようにすら感じられるのだ。

 イオン九州の意図は今のところ不明だが、おそらく戦略的な実験店であるがゆえに、イオンのブランドを前面に出す必要がない(出したくない)という事情もあるのかもしれない。また、既存のイオンの店舗と明確に差別化を図りたいといったねらいも推測される。

 いずれにしても、大型店を主力フォーマットとしてきたイオン九州が、都心部立地の小型店の実験を進めるということは、同社が経営戦略上の大きな転換点を迎えていることは確かだ。六本松店を実験拠点としながら、イオン九州はどのような小型店モデルを構築していくのか。動向が注目される。

店名 ニコキッチン六本松店
住所 福岡県福岡市中央区六本松2-3-6 六本松SKビル1階
営業時間 8:00~22:00
アクセス 福岡市営地下鉄七隈線「六本松」駅から徒歩3分
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記事執筆者

雪元 史章 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

上智大学外国語学部(スペイン語専攻)卒業後、運輸・交通系の出版社を経て2015年ダイヤモンド・フリードマン社(現 ダイヤモンド・リテイルメディア)入社。

企業特集(直近では大創産業、クスリのアオキ、トライアルカンパニー、万代など)、エリア調査・ストアコンパリゾン、ドラッグストアの食品戦略、海外小売市場などを主に担当。趣味は無計画な旅行、サウナ、キャンプ。好きな食べ物はケバブとスペイン料理。全都道府県を2回以上訪問(宿泊)済み。

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