基本を徹底しつつ健康を意識した売場づくりで差別化を図る!
コロナ禍が落ち着いた一方で、円安や物価高が消費者と売り手双方に大きな影響をおよぼしている。消費者の節約志向がさらに高まり、とくに価格競争が激しい加工食品部門では難しいかじ取りを迫られている。こうした背景を踏まえ、2024~25年における商品政策(MD)・売場づくりの方向性について解説する。
実質賃金の低下から節約志向が高まる
10月8日に厚生労働省が公表した8月の「毎月勤労統計調査」によると、1人当たりの実質賃金は対前年同月比0.6%減だった。夏の賞与が支給された影響で6月と7月はプラスだったが、マイナスに転じている。
物価高に賃金が追いついておらず、名目賃金と実質賃金に差が生じているのが現状だ。名目賃金に相当する現金給与額は同3.0%増の29万6588円で、32カ月連続のプラスを記録している。しかし、消費者物価指数は8月が対前年同期比3.0%増、9月が同2.5%増と上昇を続けている。
実質賃金は22年4月以降、円安、原油高、原材料高などの影響で過去最長の26カ月連続でマイナスだった。結果、エンゲル係数(家計消費支出に占める食料費の割合)が上昇し、消費者の間では節約志向が定着している。
原油高、原料高、人件費の高騰で、小売企業は値上げに踏み切らざるを得ない環境下にある。帝国データバンクの「『食品主要195社』価格改定動向調査─2024年10月」によると、10月の飲食料品値上げ品目数は、4月の2897品目を上回る2911品目と24年で最多を更新した。
消費者の節約志向に対応すべく、大手食品小売を中心に、プライベートブランド(PB)商品の値下げなど低価格を打ち出している。
こうした厳しい環境下だからこそ加工食品部門においては、MDに関して基本の徹底を実践したい。価格の据え置きや値下げは集客のための有効な手段であるが、使用頻度・購入頻度の高い商品群に絞り、消費者に「ありがたみ」のある販促を強化することが重要だろう。

販売環境の変化に対応した販促強化を
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