おせち市場、「おせちのカジュアル化」も追い風に、販売機会の拡大で市場はますます好調!

文:室作 幸江
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おせち関連カテゴリー※の金額PIと数量PIの推移

売場づくりと早出し強化でおせちの売上アップへ

 おせち需要が高まる中、今期も多様化する消費者ニーズに応えた商品が多数登場している。

 まず、「国産」という価値を追求したのが、一正蒲鉾の「国産原料100% 純」シリーズだ。背景には、国産や地産地消を重視する生活者が増えていることが挙げられる。これまでは「純国産100% 純」というブランド名だったが、副原料まですべて国産であることをわかりやすく伝えるために、商品名を一新。生産者の顔写真とメッセージを添えたPOPを用意し、売場づくりをサポートする。

 一方、食育ツールとしての役割を担いながら、新たな顧客獲得に貢献するのが、紀文食品の「おせち詰合せ/ディズニー」と「サンリオキャラクターズのおせち詰合せ」の新商品だ。子供や若年層に人気のキャラクターを取り入れることで、これまでおせちに馴染みの薄かった層にもアプローチしていく。

 こうした多彩なおせち関連品を売上拡大につなげていくには、充実した売場づくりはもちろん、早出しの強化が欠かせない。実際、EC市場では8月からおせちの予約を受け付けており、早期割引特典によっておせちの需要をさらに掘り起こしている。早めに正月の準備をする生活者が一定数いるだけに、店頭でも早出しを図ることでお試し購入を促せば、リピート購入が期待できる。おせち売場においては販売機会を拡大することが何よりも重要といえそうだ。

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