食用油市場、市場成長は踊り場へ 付加価値の高いオイルの提案が急務

オリーブは価格上昇で前年割れが続く
オリーブオイルは、金額ベースで対前年同期比3.2%減、物量ベースで同23.1%減となった。オリーブオイルは主要原産国であるスペインの不作による減産で相場が高騰しており、各社では2年連続で値上げを行った。それにより、ユーザーの使用量が減少していることが予想される。スペインの生産量は回復しておらず、今年も値上げは避けられない状態だ。今後はオリーブオイルのよさを訴求して、間口拡大につなげていく必要がある。
ごま油は、金額ベースで同1.8%増、物量ベースで同2.9%減。ごま油も同様に値上げが行われたが、炒め調理から料理の風味づけまで、幅広く家庭に定着しているため、堅調に推移した。
体によい成分を含み、サプリメントのように毎日の摂取が推奨されるサプリ的オイルは、金額ベースで同9.5%減、物量ベースで同6.6%減。金額ベースの主な内訳は、しそ・えごま油が同28%減、アマニ油は同15.9%減、中鎖脂肪酸油(MCTオイル)が同38.3%増。一般的な食用油に比べ消化吸収がよく、エネルギーになりやすいMCTオイルは、金額・物量ともにしそ・えごま油を抜き、サプリ的オイルの軸として育ちつつある。MCTオイルを使用した加工食品が続々発売されており、日清オイリオグループのMCTオイルを使用した加工食品は延べ126アイテム(24年1月時点)にまで広がっている。
売場活性化のためのMD EDITION の新着記事
-
2025/03/24
植物性ミルク市場、アーモンドやオーツ麦など豆乳以外のバリエーションも豊富に -
2025/03/24
食用油市場、汎用油やオリーブオイルが苦戦、24年度の食用油市場は踊り場へ -
2025/03/07
漬物・キムチ市場、料理素材としての魅力を訴求し、メニュー提案で喫食機会を増やす -
2025/03/06
ハム・ソーセージ市場、フレーバーソーセージなどの投入で食シーン拡大に貢献 -
2025/01/06
青果市場、地場野菜や機能性野菜、簡便野菜など 付加価値訴求がトレンドに -
2025/01/04
スナック市場、土産物需要やオフィス需要が回復 新たなニーズや価値の創造が活発化
この特集の一覧はこちら [158記事]
