新PBでめざす、西友の新しい生鮮戦略とは?
西友(東京都/大久保恒夫社長)が生鮮強化に本腰を入れている。今年4月には生鮮の新たなプライベートブランド(PB)「食の幸」を立ち上げ、バイヤーが産地まで赴いて目利きした商品を青果、鮮魚、精肉の各部門で投入、アイテム数を順次拡充している。「食の幸」を軸に差別化商品を育成しながら、「価値創造型の食品スーパー(SM)」をめざす。
価格以外の価値提供を図る
西友は2021年6月、「食品スーパーとして業界ナンバーワンになる」「ネットスーパーで業界ナンバーワンになる」ことをめざした新たな中期経営計画を発表した。そのうえで、25年度に実店舗とネットスーパーの売上合計である流通総額1000億円増、営業利益を2倍、流通総額におけるネットスーパーの構成比2ケタをめざすといった壮大な目標を設定した。
この達成に向け西友がとくに重視しているのが、生鮮強化の取り組みだ。長らく米ウォルマート(Walmart)傘下でEDLP(エブリデー・ロープライス)を軸とした価格政策を貫いてきた西友。21年のウォルマートによる一部株式売却に伴う経営体制の変化を機に、「価格競争力と価格以外の価値提供のトレード・オン」を志向し、その中心的施策として生鮮の品質、品揃え、サプライチェーンの見直しを据え、進化を図ってきた。
そして今年4月には、生鮮の新PB「食の幸」の投入を発表。バイヤーが現地に直接足を運び、味(おいしさ)にこだわって選定、かつ西友が求める基準を満たした品質であることを販売条件としたPBである。第1弾として青果では「肥後浪漫すいか」など7アイテム、精肉では「鹿児島県産さつま豊味豚」「鹿児島県産南国すこやか鶏」など14アイテム、鮮魚では「国産うなぎ長焼」「生アトランティックサーモン」など4アイテムからなる、計25品目を発売。その後も順次アイテム数を拡大しており、各部門で「食の幸」の売上は順調に推移しているという。
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「食の幸」のこだわりの内容
実際、「食の幸」の各商品はどのような基準で選定され、
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