スパイス&ハーブ市場、家庭での調理機会の増加で市場全体の需要が底上げ
長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響で、家庭内での調理機会が増え、大容量の練りスパイスや洋風スパイスなどを中心に需要が伸長している。とくにポテンシャルの高いシーズニングの拡大に期待が寄せられている。
練りスパイスは生鮮からの代替が進む
KSP-POSデータによると、スパイスの期間通算(2020年6月~21年5月)の金額PIは6344円で、対前年同期比10%増。月別金額PIをみると、20年6月~21年3月まで前年実績を大きく上回った。21年4~5月が前年割れとなったのは、20年が異常値となったその反動によるものだ。
スパイス市場はここ数年、安定した成長を続けてきたが、20年は新型コロナウイルス感染拡大により、家庭内の調理機会が増えたことで、一気に需要が高まった。とくに練りスパイスは、その利便性と保存性のよさから「わさび」や「からし」を中心に拡大してきたが、最近は「しょうが」や「にんにく」が大きく成長。生鮮素材からの代替需要が進んだことが理由だ。これに加え、エスビー食品やハウス食品が、通常サイズの約4倍の大容量タイプを発売したことが成長を加速させた。
なかでも「ニンニク」は、コロナの影響が大きい。在宅勤務に加え、外出時もマスク着用で、にんにくのにおいを気にせず使えるようになったことから使用が促進されたようだ。
エスビー食品では練りスパイスのバラエティー化を進めており、とくに「きざみ」シリーズのラインアップを充実させている。好評の「青じそ」や「レモン」「ゆず」などのほか、今年は「みょうが」「紅しょうが」「福神漬け」「らっきょう」を発売した。同社ではチューブ調味料の使用シーンを広げる試みを継続して行っている。