リオン・ドールが仕掛ける冷凍食品特化の新業態  「日常使い」促す売場をレポート

大宮 弓絵 (ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長)
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使い切れない人も!
レシピ提案で消費を促す

冷ケースの上部にはPOPを設置して商品の紹介やレシピ提案を積極的に行う
冷ケースの上部にはPOPを設置して商品の紹介やレシピ提案を積極的に行う
冷凍野菜の活用方法を提案するPOP
冷凍野菜の活用方法を提案するPOP

 売場面積は約810㎡。品揃えのメーンは冷凍食品で、店内には冷凍ケースがずらりと並ぶ。冷凍ケースは平台タイプを採用することで、店の奥まで見通せる解放感のある空間を創出している。

 売場の各所で目に留まるのが、色とりどりのPOPを使った商品の紹介やレシピ提案だ。執行役員商品部グロサリー管掌の大沼孝氏は「冷凍食品を買ってもうまく使いこなせないという人も少なくない。レシピ提案によって消費を促していきたい」と話す。また冷凍ケースばかりが並んだ無機質な売場にならないようにするための工夫でもあるという。

カラフルなPOPやボードを活用し、冷凍ケースばかりが並んだ無機質な売場にならないように工夫する
カラフルなPOPやボードを活用し、冷凍ケースばかりが並んだ無機質な売場にならないように工夫する

技術開発が進む
冷凍パンの販売を強化

冷凍ケースを6台ほど使用して、冷凍パンだけで70品目を販売する
冷凍ケースを6台ほど使用して、冷凍パンだけで70品目を販売する

 取扱品目数は、冷凍食品のほか、菓子や加工食品、酒類、飲料、日用雑貨なども扱い全体では約2500品目。主力の冷凍食品は、カット野菜や生鮮素材、総菜、アイスクリーム、スイーツ、パンなど約1300品目を揃える。

 なかでも販売を強化したカテゴリーが冷凍パンだ。バゲットや食パン、大容量のクロワッサンやメロンパン、個包装のベーグルなど約70品目を揃える。近年、冷凍パンの製造技術は急速に進化している一方で、扱っている食品スーパーは未だ少ない。またパンは主食であるため来店頻度向上にもつながると考えている。

 まだ冷凍パンのメーカーは多くないことから取引先の開拓には苦労したが、その甲斐あって売上は好調に推移しているという。

■取引先を新たに開拓し、バゲットや食パン、大容量のクロワッサンやメロンパン、個包装のベーグルなど多様な商品を揃える
取引先を新たに開拓し、バゲットや食パン、大容量のクロワッサンやメロンパン、個包装のベーグルなど多様な商品を揃える
1枚や1個当たりの価格もPOPに表記して決して値段は高くないことを伝える
1枚や1個当たりの価格もPOPに表記して決して値段は高くないことを伝える

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記事執筆者

大宮 弓絵 / ダイヤモンド・チェーンストア 副編集長

1986年生まれ。福井県芦原温泉出身。同志社女子大学卒業後、東海地方のケーブルテレビ局でキャスターとして勤務。その後、『ダイヤモンド・チェーンストア』の編集記者に転身。

最近の担当特集は、コンビニ、生協・食品EC、物流など。ウェビナーや業界イベントの司会、コーディネーターも務める。2022年より食品小売業界の優れたサステナビリティ施策を表彰する「サステナブル・リテイリング表彰」を立ち上げるなど、情報を通じて業界の活性化に貢献することをめざす。グロービス経営大学院 経営学修士

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