ヤオコー、西友、ビッグ・エー… 進化するP B、 売場や売り方を変え、業務改善にも貢献
バーコードの視認性を最優先
ビッグ・エーは効率重視
PBのパッケージデザインを突き詰める、その方向性もいろいろです。これまで挙げてきたような売場の見せ方・売り方に関わるものだけではありません。業務効率を突き詰めるためのデザインという方向性もあります。ビッグ・エーのPBです。
業務の効率化を徹底するディスカウンターでは、会計時に商品をスキャンする際もコンマ何秒のスピードを追求します。作業効率を徹底して高めることが、売価を下げる原資になると考えるからです。バーコードを探す手間で発生する時間のロスを削りたいと考え、オリジナル商品のパッケージではバーコードを際立たせるデザインを増やしています。
これは19年から始まった「トリプルS(スマート・スキャン・システム)」と呼ぶ取り組みで、20年12月時点で120SKUになっています。保存用ラップフィルムの四角いパッケージや粉チーズのような筒型パッケージにはバーコードを1周させたり、パッケージの表裏両面に印字したり、とにかく大書したものや、デザインバーコード風のアイキャッチにして目立つ位置に配置したものなど、バリエーションはいろいろです。
レジ係がバーコードを見つけやすいことを優先したデザインというのも、ディスカウントストアならではの振り切った発想ではないでしょうか。その意図を理解したうえでパッケージを眺めていると、デザインの大胆さ、割り切りの潔さ、だんだんクセになるというか、ある種の世界観を感じてきます。
PB商品は、価格やおいしさも重要ですが、それだけでなくチェーンの個性や価値観を現したものだと言えそうです。だからこそ重要な商品群なのだと思います。