日本酒市場、若年層や女性ユーザーなどに向けトライアルを促進する品揃えが重要に
食とのクロスMDを強化し、日本酒とのタッチポイント増やす
日本酒は気温が下がる秋口から売上が伸び、歳暮や年始のあいさつなど、ギフト需要が高まる12月、1月にピークを迎えることから、各社は需要期に向けて期間限定品や新商品を投入している。
大関では「純米にごり酒 夢みるまえのひつじ」やJAとのコラボ商品など若年層や女性をターゲットとした商品を強化。月桂冠もチョコレートやキャラメル味の日本酒リキュールシリーズを秋冬限定で展開する。
小西酒造ではバター味のフードとのペアリングに最適な日本酒「KONISHI サンキュー バターマッチ」を発売。日本盛では今春発売の日本酒ソーダ「日本盛JAPAN SODA」の拡販に力を入れる。
コアユーザー向けの施策としては、辰馬本家酒造が数量限定品「黒松白鹿ひやおろし 純米 もち四段仕込」を展開。白鶴酒造ではNo.1※ブランド「白鶴 まる」のパッケージを一新した。菊正宗はIWC2023でグレートバリュー・チャンピオン・サケを受賞した「しぼりたてギンパック」の販促を強化する。
今後、日本酒の需要を広げていくには、季節感のある演出や総菜とのコラボレーションなど、家飲みならではのお酒の楽しみ方を訴求することが重要となる。コロナ禍以降広がった家飲みの習慣から、30~50代など比較的若い世代も日本酒に関心を持ち始めており、自分事としてとらえられるような施策でトライアルを獲得することが、マーケットの拡大につながるだろう。トライアルの獲得に向け日本酒の選び方やシーン提案、おすすめ料理など、新規ユーザーが興味を持つ仕掛けをつくることで、日本酒売場を盛り上げたいところだ。
※ インテージSRI+調べ 日本酒 2021年4月〜2022年3月累計販売金額(全国計)