牛一頭買いとプロセスセンター間の連携で実現するライフの精肉MD
ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)の近畿圏畜産部は、「差別化」「独自性」をテーマにした商品政策(MD)を打ち出している。インストア加工で鮮度、味を追求する一方、プロセスセンター(PC)も活用した他社が容易に模倣できない商品を充実させている。
豚肉が売上高伸長をけん引
ライフ近畿圏畜産部が担当するのは、大阪府、京都府、兵庫県、奈良県にある全164店舗の精肉部門。同社畜産部部長の前坊智晴氏によると、同部門のMDの基本方針は「『差別化』『独自性』を重視した品揃え、売場づくり」にあるという。この方針は、ライフの既存店の商圏で、競争が激化していることを背景にしている。食品の扱いを拡大するドラッグストア(DgS)やディスカウントストア(DS)といった精肉商品の価格訴求を得意とする業態が台頭しているなか、そうした動きにいかに対処していくかが課題となっているのだ。
そんな競争環境のなか、ライフ近畿圏畜産部が取り組むのは商圏特性に合わせたMD。とくに半径1㎞の足元商圏でのシェア向上を目標に掲げている。激しさが増す価格競争には乗らず、付加価値商品により地域からの支持獲得をめざしている。
ライフ近畿圏畜産部の業績に触れると、コロナ禍で内食需要が高まったこともあり、着実に売上を伸ばしている。2023年2月期は、コロナ以前の20年2月期と比較すると約6%(既存店ベース)の伸長を見込む。同期の業績向上は、20年2月期の方針転換も大きく影響している。関西は歴史的に牛肉文化圏とされ、ライフでも他SM企業と同様、牛肉を中心に商品を構成してきた。しかしお客の購買動向、また国の家計調査などを参考に、拡大傾向にある豚肉を中心とする政策へと切り替えた。これにより豚肉の売上が大きく伸びている。22年9月から12月までの畜産部における主要3畜種の売上高構成比は、豚肉が26.8%と最も高く、牛肉22.4%、鶏肉19.8%と続く。とくに、豚肉の売上は、20年2月期との比較で、
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