米ウォルマート、店舗従業員の3分の2をフルタイム雇用に、22年1月末まで
米ウォルマートは、主力の米国ウォルマート事業の店舗従業員の3分の2を2022年1月期末までにフルタイム雇用にする。同社では、EC(インターネット通販)の利用急増に伴って、店頭での商品のピッキングや出荷の作業が増えており、フルタイム従業員を増やすことで店舗全体での人員配置の見直しがしやすくなる。従業員にとっては、キャリアアップや昇給の機会が広がる。
フルタイム雇用を増やす方針については、総合ディスカウントストア業態「スーパーセンター」や食品スーパー業態「ネイバーフッドマーケット」などを運営する米国ウォルマート事業の人事担当シニアバイスプレジデント、ドリュー・ホラー氏が公式ブログで明らかにした。同氏によれば、米国ウォルマート事業では16年時点で店舗従業員の53%がフルタイム雇用だったが、これを3分の2に引き上げることによって新たに約10万人のフルタイム雇用が生まれる。
ウォルマートの物流センターやEC用の配送センターでは、従業員の80%がフルタイム雇用となっており、店舗でフルタイム雇用を増やすのはこの流れに沿ったものだ。パートタイムからフルタイムに移行してもすぐに時給がアップするわけではないが、長期安定的に働けるようになるほか、自分の生活スタイルやライフステージなどに合わせた勤務シフトが組みやすくなる。
米国ウォルマート事業では昨年10月から、ネイバーフッドマーケットに次いでスーパーセンターでも、店舗運営にチーム制を導入した。従業員を8〜12人のチームに分け、チームが受け持つ業務については全員がこなせるように教育・訓練を行うもので、フルタイム雇用者が増えると、交代で休暇を取ったり、忙しい時間帯にサポート業務に回ったりするなど勤務シフトや人員配置の見直しがしやすくなる。
同社では、昨年10月にスーパーセンターで働く従業員のうち総菜加工や自動車整備の技術を持つ16万5000人の最低時給を11ドルから15ドルに引き上げることを発表したほか、今年2月には米国内の従業員約150万人のうち現場従業員42万5000人の平均時給を15ドルに上げることを明らかにした。