米フェデックス、12─2月期は大幅増益 コロナ禍で個人向け配送急増
[18日 ロイター] – 米宅配大手フェデックスが18日発表した第3・四半期(12─2月)決算は、特別項目を除く純利益が前年同期比で2.5倍に増え、市場予想も上回った。新型コロナウイルス禍でのオンライン通販向け商品配送の急増と料金値上げが寄与した。
株価は1年前にコロナ流行を抑えるための行動制限が導入されて以来、2倍強に跳ね上がっている。フレデリック・スミス最高経営責任者(CEO)がこの日、「予見可能な将来」において同社の電子商取引および国際速配サービスへの需要は「非常に高く推移し続ける」と発言したことを受け、引け後の時間外取引で4%急伸した。
特別項目を除く純利益は153%増の9億3900万ドルで、1株当たり3.47ドルとなった。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の3.23ドルを上回った。
売上高は23%増の215億ドル。年末商戦期の商品配送に加え、新型コロナワクチンの輸送も寄与した。
米国内の主要配送拠点の一部は2月に寒波の影響で業務に支障が生じ、営業利益を約3億5000万ドル下押しした。
フェデックスは新型コロナ流行で収益性の高い企業間の輸送が落ち込み、インターネット通販商品の取り扱いが急増したのを受け配送料を引き上げている。
陸上輸送「フェデックス・グラウンド」の1日当たりの平均貨物量は25%増の1320万個。貨物1個当たりの売上高は11%増の9.72ドルだった。
通年の調整後1株利益については、全部門の利益率上昇を前提に17.60─18.20ドルと予想。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均17.40ドルを上回った。
マーケティングトップのブリー・カリリ氏は今後の見通しについて、ワクチンを接種した消費者が実店舗での買い物を再開するに伴い、オンライン通販向けの配送が一時的にやや鈍化する可能性があるとの見方を示した。
ただ「小売り全体に占めるオンライン通販の比率はまだまだ成長余地があると強く確信している」とも述べた。