JWOと生態認証で、アマゾンが新たに起こす「ディスラプション」とは

「アマゾンゴー」や「アマゾンフレッシュストア」を管掌しているのは当然のことながらアマゾン(Amazon.com)のリアル店舗事業部門(同社はフィジカルストアと呼ぶ)だが、このユニットは商品スキャンを不要とするジャスト・ウォーク・アウト(JWO)技術の開発も担っている。店舗運営とJWOは一体化しており、JWOだけ切り離してデジタル技術開発部門が担当するということをしていないのである。
このJWOとは人やモノの動きをカメラやセンサーでセンシングしAIで解析して認識する技術で、人を省いてモノのセンシングに特化するとスマートカートの「ダッシュカート」となる。カートにセンシングデバイスを組み込んでお客が商品をカートに投げ込むと認知する仕組みである。アマゾンはフレッシュストアでこれを採用している。
この技術をカートではなく冷蔵庫に組み込む実験をしていると噂されている。スマート冷蔵庫だ。冷蔵庫内のアイテムを監視し、期限切れを通知したり、期限が近づいたアイテムのレシピを提案したり、といった機能を加えて利便性を高めるという。
もう1つ、同じチームが開発しているのが生体認証である。アマゾンは顔ではなく手のひらを使う。同じ技術を使って人やモノではなく手のひらの特徴を認識するのだ。名称は「アマゾンワン」、もう1つの圧倒的な競争優位に立つ可能性を秘めた技術だと思っている。
大リーグの球場内でも
アマゾンワンは、アマゾンゴー、フレッシュストア、ホールフーズ・マーケットと3フォーマットの店舗に徐々に導入されはじめている。
店頭に
鈴木敏仁のアメリカントレンド の新着記事
-
2025/12/04
上半期の売上成長率 200%超 アメリカでも市場席巻する「ラブブ」 -
2025/11/05
米コンビニ「レーストラック」、ファストフードチェーン買収の深謀 -
2025/10/03
米国で「デジタル限定値引き」が規制の方向 背景に “アンフェア意識” -
2025/09/04
ウォルマートが「スーパーエージェント」を始動! AI変革が本格化 -
2025/07/19
アマゾンとウォルマートが「自動化」で得る本当のリターンとは -
2025/06/20
無人店舗が性善説で成り立つ!? 中西部に見た米国小売の“別世界”
この連載の一覧はこちら [55記事]
アマゾンの記事ランキング
- 2025-11-06南アフリカ初の「ウォルマート」開業 英国の「アマゾンフレッシュ」閉鎖へ
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2025-12-04ウォルマートが生鮮にRFID導入 アマゾンは食品の新PBを発売
- 2025-04-14ネットスーパー相関図 2025 市場拡大背景に協業・提携が活発化!
- 2025-06-09アメリカ小売業ランキングトップ10! 環境激変下での各社の業績&成長戦略とは?
- 2019-05-14世界の小売りブランド価値首位はアマゾン、2位にアリババ=調査
- 2019-10-28米アマゾン、商品の店頭受け取り拠点を拡大、新たにGNCなど3社と提携
- 2020-05-04良品計画、アマゾンで「無印良品」を販売、日用品など約250商品
- 2020-07-07数々の米アパレルを死に追いやったアマゾン・エッセンシャルズ静かに日本に上陸
- 2020-07-21インド企業の海外アマゾンサイトでの販売が20億ドル突破
関連記事ランキング
- 2025-11-06南アフリカ初の「ウォルマート」開業 英国の「アマゾンフレッシュ」閉鎖へ
- 2025-12-04ウォルマートが生鮮にRFID導入 アマゾンは食品の新PBを発売
- 2024-05-29利用減少から一転、会員数過去最高のアマゾン・プライム 復調の理由は?
- 2024-11-25テキサス州だけで売上6兆円近く!最強スーパー、H-E-Bとは
- 2025-11-22米EC市場で注目度上昇!「カンバセーショナルコマース」とは
- 2025-04-14ネットスーパー相関図 2025 市場拡大背景に協業・提携が活発化!
- 2025-06-09アメリカ小売業ランキングトップ10! 環境激変下での各社の業績&成長戦略とは?
- 2021-06-07米ウォルマート、店舗従業員向け統合業務アプリ導入、スマホ74万台を無償貸与
- 2023-06-08コロナ禍もコロナ後も強い成長!米国小売業ランキング&分析2023
- 2023-10-06オランダ最大の小売企業「アルバート・ハイン」に今注目すべき理由





前の記事
