全国コアCPI、10月は+0.1% 原油高を携帯格安料金が帳消し
[東京 19日 ロイター] – 総務省が19日発表した10月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は99.9と、前年同月比0.1%上昇した。原油高や円安でエネルギー価格が2008年9月以来の上昇率となり指数を押し上げたものの、携帯電話の通信料が過去最大の下げ幅となり、コアCPIの伸び率は前月と変わらなかった。
ロイターがまとめた民間予測は前年同月比0.1%上昇だった。
10月のエネルギー価格は11.3%上昇と、前月の7.4%上昇から伸び率が拡大した。このうち、ガソリンは21.4%上昇し2008年8月以来、灯油は25.9%上昇し17年11月以来の上昇幅となった。
ニューヨーク原油先物価格は上昇が一服しているが、総務省の担当者はOPECプラスの追加増産見送りの相場への影響を注視したいと話した。電気代には原油高が3―5カ月程度遅れて反映されるという。
政府の観光需要喚起策「GoToトラベル」が実施された前年の反動で、宿泊料は59.1%の上昇。伸び率は前月の43.1%上昇を上回り、1970年以降で最大の上昇率。
携帯電話の通信料は53.6%下落。総合CPIの下落幅を1.47ポイント拡大させた。携帯電話キャリアによる新たな格安プランの登場で下落率が一段と拡大した。
10月の総合指数は前年同月比0.1%上昇して、前月の0.2%上昇から伸び率が縮小した。前月高騰した生鮮野菜の価格が落ち着いた。生鮮食品およびエネルギーを除く総合指数は0.7%下落した。