オーケーの2021年3月期業績は、営業収益が5089億円(対前年同期比16.7%増)と初めて5000億円を突破。営業利益は303億円(同32.8%増)と大きく伸長した。新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大により20年度は食品スーパー各社が“特需”に沸いたが、同社はなかでも突出した成長を見せている。加えてコロナ以前の19年3月期から営業収益と各利益ともに3年連続で2ケタ増を遂げており、同社の勢いが窺える。
オーケーは「高品質・エブリデー・ロープライス」を掲げ、毎日、地域いちばんの最安値で商品を提供することを基本方針とする。その原資を捻出するべく標準化した店づくりや店舗作業の効率化を進めており、従業員1人当たりや売場面積1㎡当たりの売上高は一般的な同業他社より高い。
財務の安全性を確保しながら高成長を実現しているのも同社の特徴だ。経営目標とする「借入無しで年率20%成長の達成」を実現するべく、新店投資は営業キャッシュフローの範囲内と定めつつ、積極出店を図る。
出店エリアは、ドミナント深耕による物流効率化を図るため、国道16号線内側への出店を基本とする。近年はとくに肥沃なマーケットが広がる東京23区内への出店を強化している。ここ数年は若干、出店スピードが減速したものの、目標とする年間10店ペースでの出店をめざす考えだ。
さらに新たな重要施策として、ネット宅配事業および調剤薬局事業の展開に乗り出す方針を明らかにしている。ネット宅配は、オーケーの店頭と同価格(一部を除く)で、合計買物金額1万円から注文を受け付け、買物金額の4%の配送料で商品を届ける。
調剤薬局は、すでにオーケーの一部店舗では大衆医薬品の販売を行っているが、今後は病院処方箋の取り扱いも開始する。大型店ではクリニックの併設なども検討しており、食品以外でも利便性を提供することで地域でのさらなる支持獲得をめざす。
部門別売上高構成比
※冷食品は、冷凍食品やアイスクリーム、乳製品、パン、和洋生菓子、日配などの冷凍冷蔵食品
過去5年間経営指標推移(各年3月期)
会社概要
所在地 | 神奈川県横浜市西区みなとみらい6-3-6 |
代表者 | 代表取締役社長 二宮涼太郎 |
資本金 | 28億6882万円 |
決算日 | 毎年3月20日 |
上場取引所 | 非上場 |
連結営業収益 | 5089億7500万円(2021年3月期) |
PB比率 | ─ |
時価総額 | ─ |
お詫びと訂正:当ページ「部門別売上高構成比」のグラフにおいて項目の表記が間違っておりました。「冷凍食品」ではなく、正しくは「冷食品」です。お詫びして訂正致します。冷食品は、冷凍食品やアイスクリーム、乳製品、パン、和洋生菓子、日配などの冷凍・冷蔵食品を含みます。(訂正日:7月13日)