しまむら、今期営業利益は74億円の上振れ、10月からECサイト運営
しまむらは9月28日、2021年2月期の連結営業利益が前期比34.4%増の308億円になりそうだと発表した。従来予想に比べて74億円の上振れとなる。新型コロナウイルスの感染拡大で20年3〜5月期は客数が大きく減って減収減益となったが、6月以降は1人10万円の特別定額給付金の支給や巣ごもり需要、気温の上昇などで売り上げが回復した。
上期(20年3〜8月)の連結売上高は前年同期比3.8%減の2542億円だったが、3〜5月期の19.9%減から、6〜8月期は12.6%増へと回復した。上期は広告や販促を自粛したことで、広告宣伝費がほぼ半減、営業利益は11.3%増の159億円となった。
同社はまた、初のEC(インターネット通販)サイト「しまむらオンラインストア」を10月1日に開設することも発表した。同社は既存の東松山商品センター(埼玉県東松山市)の敷地内にEC専用の物流センターを建設して、ECサイト開設の準備を進めていた。
オンラインストアでは店舗で販売しているプライベートブランド商品やトレンド商品などのほかに、オンライン限定商品も取り扱う。商品の受け取り方法は、送料無料の「店舗受け取り」と送料500円(大型商品は1000円)の「自宅配送」のいずれかを選べる。中期的には連結売上高に占めるEC事業の売り上げ比率を5%程度まで高めることを目指す。
一方同社は、中国現地法人である飾夢楽(上海市)が運営する6店舗を今期中に全て閉鎖し、中国から事実上撤退することも明らかにした。しまむらは12年4月、上海市内に1号店を出店し、中国本土に進出したが、業績が伸び悩んでいた。新型コロナの影響も加わり、今後の業績回復は困難と判断した。46店舗を展開する台湾での事業は今後も続ける。