マミーマート岩崎裕文社長が語る!高速出店、急成長支える次なる戦略
埼玉県を中心に関東1都4県で食品スーパー(SM)80店舗を展開するマミーマート(埼玉県)。同社は近年、既存店の改装を積極的に進め、新フォーマットと位置づける「生鮮市場TOP!」「マミープラス」の展開を進めてきた。
2024年9月期は3年ぶりとなる新規出店に着手するなど、ここにきて成長を加速させようとしている。同社の経営戦略について、マミーマートの岩崎裕文社長に聞いた。
2期連続の増収増益を達成

●1972年1月26日生まれ。
98年10月、マミーマート入社。
98年取締役、99年取締役営業副本部長、
2001年取締役総合企画室長。
02年常務取締役経営企画室長、常務取締役管理本部長、
03年常務取締役営業本部長、
06年常務取締役業務統括本部長を経て、
代表取締役副社長兼業務統括本部長、
08年代表取締役社長(現任)
──24年9月期通期決算は2期連続の増収増益となりました。
岩崎 当初は多額の先行投資を行うため、増収減益の計画でしたが、新フォーマットが好調で売上高が想定以上に伸びたことに加え、下期に入ってからは電気代の上昇が想定を下回り、結果的に増益で着地しています。
──足元では節約志向が高まっていますが、どのような対応を進めていますか。
岩崎 当社では、エリア内の競合店の売価を見ながら、個店ごとに価格対応をしています。節約志向の高まりに加え、競合環境の変化もありますが、対応は以前から大きく変えていません。
SM業界全体で共通する話ですが、24年度は売価を上げた影響で買い上げ点数が若干落ちたものの、売上自体は確保できました。外食産業全体の伸びが限定的だったことからも節約志向は顕著だと考えられます。
しかし、値上げが相次ぐなかでも、食品の購入先でいちばん安いのは、SMである場合が多く、消費者が買物の場所として価格の安いSMを選択しているとみています。また、その中でとくに伸びているのが、より低価格を訴求するディスカウント型のSMなのだと感じています。
──精肉・総菜・ベーカリーの自社製造工場を運営する子会社の彩裕フーズ(埼玉県/根守通雄社長)についてはいかがでしょうか。
岩崎 24年9月期決算では彩裕フーズも増収増益となりました。原料の値上がりが続いたものの、原材料を見直して価格上昇を抑える商品と、値上げする商品をそれぞれ見極めるなどの対応を進めたほか、総菜が継続して好調だったことでコスト上昇をうまく吸収できたと考えています。
彩裕フーズでは約300アイテムを製造しています。ただ効率面を考えて、今後このアイテム数は削っていく方針です。差別化ができる商品の製造に絞り、さらに強いオリジナリティの創出に専念できるよう、取捨選択を進めています。
起死回生の「生鮮市場TOP!」
──マミーマートでは2つの新フォーマットを展開しています。まず、「生鮮市場TOP!」が生み出された経緯を聞かせてください。
岩崎 埼玉県内におけるSMの競争の中で、近年マミーマートは停滞が続き、このままではいけないと考えていました。
実は新フォーマットとして打ち出す前から