売上3000億円めざす中部薬品の戦略を高巣基彦社長が語る!

聞き手:阿部 幸治 (ダイヤモンド・チェーンストア編集長)
構成:森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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東海、北陸を中心にドラッグストア(DgS)、調剤薬局をチェーン展開するバローグループの中部薬品(岐阜県)。「地域密着健康ステーション」を掲げて専門性、利便性を追求、集客を図っている。「今後は名古屋市、さらに関西を重点エリアとして店舗網を拡大する」と話す同社の高巢基彦社長に成長戦略を聞いた。

インフラも活用、差別化図る

──2023年3月期、中部薬品の業績は営業収益1591億円(対前期比6.5%増)、経常利益39億円(同35.8%増)と好調に推移しました。経営環境についての認識を教えてください。

高巢 コロナ禍を経て、DgSの役割が大きく見直され、追い風になっていると感じています。その変化には大きく分け、3つの面があります。

 第一は機能。かつて体の不調や悩みごとがあった場合、まず病院に行くことを考える人が大半でした。しかしコロナ禍ではマスクや消毒液といった衛生用品、かぜ薬が揃うDgSの利用頻度が上がったことで、相談窓口として期待されるようになりました。

高巢基彦氏
高巢基彦(たかす・もとひこ)
●1996年中部薬品入社。2011年、同社商
品部長。12年同社事業本部長。13年同社取締役。15年同社
常務取締役。17年バローホールディングス取締役(現任)。
18年中部薬品代表取締役社長(現任)

──医療機関よりも身近にある点も大きいですね。

高巢 そのとおりです。第二に、DgSがワンストップショッピングできる場所として認識されました。以前は、生活に必要な商品を手に入れるため、複数の店舗を買い回るのが普通でした。しかし外出を控える風潮が強まるなか、衛生用品、薬だけでなく、食品、雑貨も揃えているDgSで買物を済ませるという行動変容が起こりました。

 最後は節約需要に応えられる業態になったことも大きい。とくにこの1~2年、各種商品の高騰を受け、比較的品質がよく、低価格の商品が買えるため、消費者からの注目度が今も上がりつつあるとみています。

──今年5月、新型コロナウイルス感染症が5類に分類変更されて以降、業績はいかに推移していますか。

高巢 入浴剤などのように、「巣ごもり需要」で好調だった商品が鈍化する一方、不振だった化粧品、かぜ薬が動き始めるなどの変化が起こっています。また少しずつですが、都市部を中心にインバウンド需要も伸長しつつあります。一方、値上げの影響で販売点数が減っていますが、動きのよい食品がけん引し、業績は総じて好調です。

岐阜市内に都市型店を出店

──そのなか、バローグループの企業としてどのような方針で事業を展開しますか。

高巢 グループにはDgSのほかにも食品スーパー(SM)、ホームセンター(HC)など複数の業態を展開する事業企業があります。また物流をはじめ、

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聞き手

阿部 幸治 / ダイヤモンド・チェーンストア編集長

マーケティング会社で商品リニューアルプランを担当後、現ダイヤモンド・リテイルメディア入社。2011年よりダイヤモンド・ホームセンター編集長。18年よりダイヤモンド・チェーンストア編集長(現任)。19年よりダイヤモンド・チェーンストアオンライン編集長を兼務。マーケティング、海外情報、業態別の戦略等に精通。座右の銘は「初めて見た小売店は、取材依頼する」。マサチューセッツ州立大学経営管理修士(MBA)。趣味はNBA鑑賞と筋トレ

構成

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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