万代と日本総研が脱炭素の取り組み開始! 業界を横断して考案した売場の工夫とは
来店客が脱炭素に興味を持つ売場づくりとは
高槻インター店で行われた減CO2プロジェクトを詳しく見ていこう。まず、店の入口近くには「減CO2モンスターをやっつけろ」と題した大型ゲーム機「仕掛けマシン」を設置。
「減CO2(ゲンコツ)」と声に出して参加券を手に入れ、機械にパンチすると「減CO2モンスター」を倒す、という仕組みだ。「減CO2モンスター」は、脱炭素に悪影響な日常的な習慣などをモチーフにしており、自然と脱炭素について学びを深められる。
参加者にはオリジナルキャラクターとともに店内に設置されたクイズを見ながら謎解きをする「減CO2ナゾトキ大作戦」への参加を促す。LINEに答えを打ち込み、全問正解すると抽選でプレゼントが当たる。
店内には特設棚を設置する。ナゾトキのクイズのほか、のぞき穴を見ながらレバーを回すと脱炭素に関する物語が展開される「のぞきからくり絵本」などがある。さらに、特設棚の上には脱炭素に配慮した商品を並べる。こうした商品の詳細は、「みんなで減CO2プロジェクト」アプリをダウンロードして、商品横のQRコードを読み取れば「『アサヒ十六茶シンプルecoラベル』は、商品全体に巻かれているラベルをなくすことで、プラスチックの使用量を最低限に抑えている」といったふうにその詳細を見ることができる。
売場では親子連れがこうしたコンテンツを楽しみながら脱炭素について学ぶ光景が多く見られているという。「CO2削減は目に見えづらいものだからこそお子さんでもわかりやすいように、ゲーム感覚で脱炭素に取り組んでいただけるよう工夫を凝らした」(日本総合研究所リサーチ・コンサルティング部門グリーン・マーケティング・ラボ ラボ長佐々木努氏)。子供が興味を持ったことをきっかけに、その両親の行動や意識の変容も促していくことをねらう。また、脱炭素に関わる商品の購買数も伸長させていきたい考えだ。
実証実験後はPOSデータから脱炭素に配慮した商品の売上の伸びを分析するほか、アプリからのアンケート結果を通じて、その効果を計っていく。