怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
「成長し続けること」が前提のモデル
ただ、このビジネスモデルは「成長し続けること」を前提としたものだ。店数が増えないと好待遇を得られる「ポスト(役職)」が増えず、今のようなスピーディな出世ができなくなる。すると、従業員のモチベーションにも影響し、高い現場力を維持できなくなる恐れがあるからだ。
だから、急成長を持続するために、最近のロピアは都市部への積極出店を継続しながら、「ルーラル」という新しい市場に打って出ている。奈良県桜井市や青森県五所川原市など人口5万人程度の市への出店である。当然、ルーラルは都市部よりも若年層の絶対数が少ないため、より広域から集客できるかが課題となる。
それに対して、冒頭で説明した「安さ・楽しさ・独自性」の観点で対抗できる小売業態がルーラルではあまり見当たらないこと、そして都市部とは道路事情が異なるため、より広い範囲からの来店を見込める点がロピアにとっての勝算だ。まだそれほど店数が多くないため結論を出すのは尚早だが、今のところ、大都市圏外に出店した店舗はおおむね好調であるようだ。
注目したいのは、ルーラルの売場づくりでは、都市部とは異なる「兆候」がみられたという点。本特集で実施した調査では、ルーラルエリアの店舗において、「価格」から「質」訴求へのシフト、従来のロピアではあまりなかったきめ細かなMD(商品政策)が観測された。
個店ごとに濃淡はありそうだが、これらの動きは従来とは違った新たなターゲットの来店を促すためのものと見ることもできる。いずれにせよ、都市部と同様に、ルーラルでも売上を極大化する道を選んだということだろう。
最強ロピア徹底検証 の新着記事
-
2024/11/14
ロピア、2兆円体制に向けた経営戦略と複数のリスクをコンサルが徹底解説! -
2024/11/14
NBゼロをめざす?意識する企業は?取引先が赤裸々に語るロピアの強さと実態とは -
2024/11/13
ロピアの商品戦略を徹底分析!SPA化が進む一方で、大きな課題も露呈 -
2024/11/13
繁盛店は80億円!ロピア、強烈な販売力支える「100%現場主義」の正体とは -
2024/11/12
価格訴求から価値提案にシフト?「岡崎エルエルタウン店」で見られたロピアの進化 -
2024/11/12
ロピア快進撃の原点となる「港北東急SC店」で実践される繁盛店の売場づくりとは
この特集の一覧はこちら [11記事]
