怒濤の出店で1兆円が見えたロピア!大きな進化と懸念される副作用とは
「成長し続けること」が前提のモデル
ただ、このビジネスモデルは「成長し続けること」を前提としたものだ。店数が増えないと好待遇を得られる「ポスト(役職)」が増えず、今のようなスピーディな出世ができなくなる。すると、従業員のモチベーションにも影響し、高い現場力を維持できなくなる恐れがあるからだ。
だから、急成長を持続するために、最近のロピアは都市部への積極出店を継続しながら、「ルーラル」という新しい市場に打って出ている。奈良県桜井市や青森県五所川原市など人口5万人程度の市への出店である。当然、ルーラルは都市部よりも若年層の絶対数が少ないため、より広域から集客できるかが課題となる。
それに対して、冒頭で説明した「安さ・楽しさ・独自性」の観点で対抗できる小売業態がルーラルではあまり見当たらないこと、そして都市部とは道路事情が異なるため、より広い範囲からの来店を見込める点がロピアにとっての勝算だ。まだそれほど店数が多くないため結論を出すのは尚早だが、今のところ、大都市圏外に出店した店舗はおおむね好調であるようだ。
注目したいのは、ルーラルの売場づくりでは、都市部とは異なる「兆候」がみられたという点。本特集で実施した調査では、ルーラルエリアの店舗において、「価格」から「質」訴求へのシフト、従来のロピアではあまりなかったきめ細かなMD(商品政策)が観測された。
個店ごとに濃淡はありそうだが、これらの動きは従来とは違った新たなターゲットの来店を促すためのものと見ることもできる。いずれにせよ、都市部と同様に、ルーラルでも売上を極大化する道を選んだということだろう。
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