コロナ禍の防疫行動をベースにHACCPに基づく衛生管理を実現、東急ストアの取り組みとは?
第三者(外部企業)と連携した衛生意識向上
HACCP方式では、事業者自ら立てた衛生管理計画に沿って進め、実施状況などを“記録に残す”ことが重要だ。この点については、東急ストアではどのように実施しているのか。
「もともと1カ月の記録を一覧できる自主点検表があったので、これをベースに点検項目を見直して記録・保管しています。フォーマットは全店統一ですが、保管の方法は紙でもデータでも問いません。というのも、店舗の規模も業態も実にさまざま。従業員が30人程度の店舗もあれば、200人を超えるところもある。厨房で加工を行う店舗もあれば、自社工場から総菜・弁当が届くという店舗もあり、環境が大きく異なります。重要なのは継続することだと考え、運用方法は、店舗に合わせ設定しています」(葛西氏)
こうした自主点検に加え、同社では半年に一度、第三者(外部企業)による衛生点検を行っている。これは10年以上続く取り組みである。HACCP対応も含め、衛生分野のパートナーとして現場に入り、サポートしてもらっている。外部の目が入ることで、新たな気づきもあり、実状に合った衛生管理ができるようになったと葛西氏は話す。
さらに、葛西氏が率いる品質管理のメンバーが定期的に、自社工場や店舗の厨房に実際に入って現地指導をする。万一、改善が必要な箇所があれば、指摘するだけでなく改善すべきかの提案も行う。
「いかに従業員に自分事としてとらえてもらうか。そのための方法を検討しながら、今後も安全安心を第一に、組織全体として衛生対策に取り組んでいきたいと考えています」(葛西氏)