サブカルの聖地・まんだらけ コロナ禍でEC売上激増、取引価格高騰の意外な理由
めざすはプラットフォーマー、保証書の持つ可能性

投資目的での購入を後押しするのが、まんだらけの持つ信頼性だ。高額になるにつれ、より信頼のおける鑑定を受けた商品を購入したいと思う人が増えるのは当然だ。まんだらけはオークションの運営も行っており、出品者の依頼があった場合と、まんだらけが出品する1万円以上の原画・セル画、おもちゃ類に対して保証書を発行している。この保証書が付属している商品は、もし落札後に贋作と判明した場合、落札価格の全額をまんだらけが保証するというものだ。鑑定に強い自信があるからこそ可能なサービスともいえ、利用者の目線で見れば「ほかのプラットフォームよりもまんだらけを使いたい」という動機になる。後で鑑定に誤りが発覚することもあるが、「間違ったら素直に謝って買い戻し、公にするのが古川イズム。買い取り業者が鑑定ミスを公にするなんて馬鹿じゃないかと言われることもあるが、これが安心感につながっていく」(辻中社長)。
「保証書というビジネスには可能性がある」とも語る辻中社長。今後は発行対象ジャンルを拡大し、まんだらけをサブカル領域における中古品取引のプラットフォーマーとして成長させていきたい考えだ。
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今後まんだらけは、都市部の中でも現在店舗のない京都や横浜などへの出店も検討しているという。通販を含めて販売はどこでも行える力があるものの、買い取り効率をより高めるためには人口が多く、趣味を楽しむゆとりのある層が多く暮らしている場所に拠点を持つことが求められるからだ。売上面の目標では、依然インバウンドが戻らないことや、金融商品としての値上がり幅が読めないことから不透明としつつも、「インバウンドが戻る頃にはECもさらに成長しているはず。その時に相乗効果を発揮したい」と辻中社長。人気加熱に加え金融商品としての価値を得た今、サブカル市場はよい意味で先が見通せない、“夢のある”市場になっている。
サブカル・リユース業界に君臨し続けるまんだらけ。その強さの秘訣は、創業以来築き上げられてきた企業精神と、それを確実に受け継ぎ大胆な挑戦を恐れないことにあるといえるだろう。
会社概要
| 本社所在地 | 東京都中野区中野5-52-15 |
| 代表者 | 辻中雄二郎 |
| 創業 | 1980年 |
| 従業員数 | 役員・社員370名、パート・アルバイト500名 |
| 年商 | 約90億円(20年9月期) |
| 店舗数 | 全国13店舗 |
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