王者ZARA、セレクトショップの未来は?「生き残るアパレルと死ぬアパレル」最新分析!

河合 拓 (株式会社FRI & Company ltd..代表)
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ZARAの凋落と王者の入れ替わり

Photo by borchee
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世界のアパレル王者ZARAについて言えば、20211月期通期の決算は、売上は前年比28%減の約26300億円で、利益は70%の大幅な減益である。ZARAとユニクロの最大の違いは、経済停滞する北半球市場をメーンターゲットとしているか、これから伸びる南半球(アジア市場)をターゲットにしているかの違いといわれている。また、成長著しい中国マーケットを吸引するのはECで、年率25%で成長、すでに中国ECアパレル市場は25兆円規模とのことだ。

一方、欧州を拠点におくZARAは、H&Mなどと「環境との共存」の道を選び、単なる売上拡大を目指す営利企業から、「理念持つ成長」に移行すると見ている。具体的には、彼ら欧州アパレルにとって「売上ランキング」という指標は無意味化ESG経営(環境、社会、ガバナンスの略)を主軸においた戦略に移行するだろう。したがって、結果的にユニクロ、あるいは、シーインのような、アジアの成長を自社の成長に取り入れている企業が数年後のトップとなる。このように、企業の力を表すものさしが変わるということだ

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記事執筆者

河合 拓 / 株式会社FRI & Company ltd.. 代表

株式会社FRI & Company ltd..代表 Arthur D Little Japan, Kurt Salmon US inc, Accenture stratgy, 日本IBMのパートナー等、世界企業のマネジメントを歴任。大手通販 (株)スクロール(東証一部上場)の社外取締役 (2016年5月まで)。The longreachgroup(投資ファンド)のマネジメントアドバイザを経て、最近はスタートアップ企業のIPO支援、DX戦略などアパレル産業以外に業務は拡大。会社のヴィジョンは小さな総合病院

著作:アパレル三部作「ブランドで競争する技術」「生き残るアパレル死ぬアパレル」「知らなきゃいけないアパレルの話」。メディア出演:「クローズアップ現代」「ABEMA TV」「海外向け衛星放送Bizbuzz Japan」「テレビ広島」「NHKニュース」。経済産業省有識者会議に出席し産業政策を提言。デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言

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