日酒販2021年3月期決算、コロナ禍で減収減益 今後の酒類消費の回復に向けた施策は?

千田直哉
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家呑み需要で「RTD」は2桁成長を達成

––倉本隆副社長 流通統括本部長(同)

 カテゴリー別の動向は、まず「麦酒」は業務用商材である生樽と瓶を中心にした落ち込みが大きく、オフ系の新商品や酒税改正後の家庭用の増加はあったものの、売上は722億3600万円(対前期比21.6%減)で199億円の減少となった。

 また「業務用」不振の影響により、「ウイスキー」の売上は同10.9%減、「ワイン」は同15.1%減だった。「和酒」も同様で「清酒」の売上は251億円(同9.6%減)で「焼酎甲類」は168億円(同12.5%減)、「焼酎乙類」は846億円(同4.9%減)となった。一方、「RTD」は家庭用の需要の伸長と他カテゴリーからの流入が続き2桁成長を達成した。「清酒」については業務用を中心に販売していた蔵元の商品を家庭で飲んでいただこうということで、小売店頭での販売を始めた。

 コロナ禍のなかで「飲酒=悪」というネガティブなイメージが連日にわたって報道されたこともあり、消費者の飲酒に対するイメージ悪化につながらないか危惧している。今年度の市場は前年以上に厳しいと感じている。日酒販でも2021年の4月と5月は前年の売り上げを上回ってはいるが、2019年の実績には届いてない。業務用の4月の売り上げは2020年の2倍以上になったが、それでも2019年比では60%弱の達成率である。6月は緊急事態宣言エリアでの酒類提供の禁止要請の影響を大きく受け、昨年以上の売り上げ減少になるなど、当初の状況とは大きく環境が変わった。

 今後はワクチンの接種により秋以降の需要の回復を見込んでいるが、感染力が強い変異株に置き換わっているという報道もあり、予断を許さない状況にある。この1年はコロナ禍によって消費者の生活様式が変化せざるを得なかった。この生活様式は、すべては元に戻らないと考えている。多様化し変化するコロナ後のニューノーマルに対応するために我々が変わらなければならない。こうした先行きの不透明な現状を踏まえて、今期についてもローコストオペレーションによるコスト削減と消費者の変化に対応することを進めていきたい。

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