ペットボトルをすべてアルミ缶素材へ ツルヤ敷地内に出店も! 加速する無印良品のサステナブル戦略

松尾 友幸 (ダイヤモンド・チェーンストア 記者)
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駿河屋にツルヤ…SMとの協業も加速

 そのほかサステナブルな取り組みとして、良品計画は近年、過疎化や人口減少が課題となっている地域の活性化を図り、店舗を軸とした地域との協業に力を入れている。ここ最近は地方での新規出店や改装をさらに加速させており、213月には福島県浪江町の道の駅に「無印良品 道の駅なみえ」を開業。4月には北海道函館市の「無印良品シエスタハコダテ」を増床リニューアルし、地元の野菜を販売するなど地域との協業に取り組んでいる。

地域との協業の一環として、地元産の野菜を店舗で取り扱う(写真は「無印良品 直江津」の売場)
地域との協業の一環として、地元産の野菜を店舗で取り扱う(写真は「無印良品 直江津」の売場)

 そのほか、SM店内やSM敷地内への出店にも積極的だ。214月には岐阜県高山市にあるローカルSM「駿河屋」内に「無印良品アスモ高山」を開業したほか、長野県塩尻市には地場食品を活用した独自のプライベートブランドで有名なSM「ツルヤ」の敷地内に「無印良品ツルヤ塩尻広丘」をオープンする。

 5月14日には「無印良品港南台バーズ」をグランドオープンする予定だ。地下1階の800坪の食品売場は「クイーンズ伊勢丹」を展開するエムアイフードスタイル(東京都/雨宮隆一社長)が運営する。同店には初の試みとして地産地消をテーマにした「キッチンカウンター」を設けた。「管理栄養士や食育アドバイザー、農家などと地域の人がお互いの知恵を交換しながら楽しく学べる場にしたい」(執行役員 オープンコミュニケーション部長 大西克史氏)

 「こういう時代に物販だけではなく世の中の役に立つことをするのは自然なことだ」と嶋崎氏は話す。大西氏は、「店長やお客さまの顔がわかり、会話の飛び交う環境をつくるのが当社のめざすところ。物販以外でも人に会うなどの目的で来店してもらえる『交易の場所』をつくりたい」と語る。こうした考え方は、まさに創業当初から一貫して社会貢献に取り組んでいる良品計画ならではのものだといえるだろう。ESGのトップランナーとして、今後も同社の動向から目が離せない。

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記事執筆者

松尾 友幸 / ダイヤモンド・チェーンストア 記者

1992年1月、福岡県久留米市生まれ。翻訳会社勤務を経て、2019年4月、株式会社ダイヤモンド・リテイルメディア入社。流通・小売の専門誌「ダイヤモンド・チェーンストア」編集部に所属。主に食品スーパーや総合スーパー、ディスカウントストアなど食品小売業の記者・編集者として記事の執筆・編集に携わる。趣味は旅行で、コロナ前は国内外問わずさまざまな場所を訪れている。学生時代はイタリア・トリノに約1年間留学していた。最近は体重の増加が気になっているが、運動する気にはなかなかなれない。

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