コロナ禍の20年4月に社長就任 エバラ食品工業の森村剛士氏が語る「エバラらしさ」とは
新しい生活様式に対応
意思決定をスピーディーに
──店頭での販促が難しくなっています。商品の拡販のために、どのような手立てを考えていますか。
森村 ご指摘のように、コロナ禍では店頭販促が厳しい状況です。試食販売員による推奨販売が難しいため、店頭に設置された小型モニターにPR動画を流すといった施策を行っています。また、ダイヤモンド・チェーンストアさまとのタイアップで、10年前から「ディスプレイコンテスト」を開催しています。年々、ご参加いただける店舗さまが増えており、20年9~11月に実施した「鍋ディスプレイコンテスト」では1800を超える店舗さまにご応募いただきました。21年春に開催予定の「黄金の味 ディスプレイコンテスト」では、豊富な商品ラインアップと多様な什器を用意することで、店舗さまのアイデアあふれる売場づくりのバックアップを図ってまいります。
──次に、21年のマーケティング戦略についてはどのようにお考えですか。
森村 コロナ禍でホットプレートメニューの登場頻度が高まりました。そのため、「焼肉のたれ」のバリエーションで楽しむホットプレート焼肉の提案や、外食で人気のメニューを家庭で手軽に楽しめる提案など、毎日の食事づくりへのお役立ちを図ってまいります。家庭で楽しめる肉料理の広がりを訴求することで、焼肉のたれカテゴリー全体の底上げと精肉消費の後押しができればと考えています。
──さて、コロナ禍では、経営の舵取りもいちだんと難しくなっています。経営トップとして今、何が求められているとお考えでしょうか。
森村 企業を取り巻く環境が激変する中では、経営判断をスピーディーに行って社員に明確な方向性を示し、機動的な対応が取れる体制づくりが重要だと考えております。