創業70周年! チルドスイーツの老舗・モンテールの商品が愛されるワケ
「よりおいしく」を追求し、毎月10~20商品を入れ替え

関根氏は「モンテールが洋生菓子の販売へ移行したきっかけは、2代目社長が引き出物にもらったバウムクーヘン。当時は高級品で、ハレの日にしか食べられないお菓子を日常的に楽しめるようにしたいと考えたことが大きな転機になった。その後1991年からは、さらなるおいしさを求めてチルド商品の製造をスタート。スーパーでまだ洋生菓子の販売が少なかった時代だが、専門店のようなスイーツを1個から手に取ってもらえるようにと商品を展開。そのために工場を建設し、最新鋭の設備投資をしてチルドスイーツに集中特化した」と歴史を振り返る。
上総氏は「おいしいスイーツを1人でも多くの方に楽しんでいただきたい。原点にあるのは、その気持ち。定番商品はもちろんのこと、糖質を抑えたロカボスイーツの『こころ からだ おもい』、クリームを使ったどら焼やたい焼といった和洋折衷の『わスイーツ』など、食べる人に喜ばれる新しい価値観を打ち出していきたい」と話す。
企画開発部門に所属する社員は約50人。商品のアイデアを考える企画チーム、パティシエのように企画を形にする開発チーム、原材料を選定して安心・安全に仕入れて管理するチームが役割分担しながら連携している。「毎月10~20商品が入れ替わっている。新商品もあるが、すべてこれまでになかった商品というわけではなく、季節にあわせた味わいにアレンジしたり、好評な商品をブラッシュアップしたりすることもある」と上総氏。おいしいものを、よりおいしくする努力を、絶えず繰り返しているわけだ。企業間コラボする相手は「こちらからオファーする場合が多い」とのこと。これまでコラボを行ってきたのは「考え方に共感でき、相乗効果で価値を生み出せる企業だ」と続ける。
目指しているのは、お菓子を通じて世界に笑顔を届けていくこと。その思いをひと言で伝えるために、創業70周年を機に考えられた新しいコーポレートメッセージが「しあわせにまじめ」。そもそもモンテールとはフランス語で「宝石職人」の意味だ。生み出す商品の口当たりは、ふんわりなめらかだが、スイーツづくりに賭ける思いは、ブレることなく頑固で一途だ。





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