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福岡発の家具総合商社・関家具が東京に「ショールーム」を開いたねらいとは?

西岡 克(フリーランスライター)
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家具の総合商社・関家具(福岡県/春田秀樹社長)は、オフィスなどに向けて家具やインテリアを提供し、空間設計を行うコントラクト事業の強化図っている。東京・京橋にショールームを開設し、取引先がエンドユーザーと商談できるスペースを設けた。家庭用家具で培ったノウハウを生かしながら、売上高に占める同事業の割合を、現在の約20%強から30%へ引き上げるねらいだ。一方で、小売事業でも大都市を中心に直営店の出店を加速し、売上比率を現在の約30%から40%強に拡大させる。将来的には、店舗網を50店まで広げる考えだ。

3月に開設した「関家具コントラクト東京京橋ショールーム」(東京都中央区)。手前から奥に進むにつれて、内装材や外装材の色見本などを選べる

卸売事業の縮小をコントラクト事業でカバー

 関家具は、生産高国内最大の家具産地である福岡県大川市に本社を構える家具の総合商社だ。20245月期の売上高は185億円で、今期は200億円を計画している。全国の家具店への卸売を主力事業とし、直営店事業も展開している。他方、23年に法人向けのコントラクト事業部を立ち上げたほか、昨年に佐賀県内で注文住宅を請け負う住宅事業部も発足させた。

 このうちコントラクト事業では、オフィスやホテル、住宅メーカー、飲食店などに対して、空間のデザイン設計からオリジナル家具のデザイン・製作・施工までをトータルで請け負う。ホテルなどの宿泊施設には、客室内の家具を中心に造作を含めた提案を行う。住宅メーカーや工務店には、モデルルーム用の家具を提案している。

 同社は、家庭用家具の扱いに強みを持つ。そこで培った家具製造・デザインのノウハウを生かし、造作などにも応用して提案する。とくにオフィス向けに、同事業を強化する方針だ。

関家具の常務執行役員営業統括本部長である下條一利氏
関家具の常務執行役員営業統括本部長である下條一利氏

 家具業界は、国内の人口減少により家具店が減少し、卸売事業も年々縮小している。持続的成長を図るためには、卸売以外の新たな事業を開拓する必要があった。

 同社の常務執行役員営業統括本部長の下條一利氏は「オフィス環境がリビング化している中、当社は家具店を展開し、リビングの商品開発に長けている。それを法人向けのワーキングブースやチェアの提案に生かして、売上を伸ばしていきたい」と述べる。

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