ソフトバンクG孫社長「潮目が変わった決算」

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2月12日、ソフトバンクグループが発表した2019年4─12月の営業損益(国際会計基準)は129億円の赤字だった。写真は都内で2017年7月撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 12日 ロイター] – ソフトバンクグループが12日発表した10―12月の連結営業損益は25億円の黒字だった(前期は7043億円の赤字)。当期損益は550億円の黒字(同7001億円の赤字)。孫正義会長兼社長決算会見で「潮目が変わった決算」と総括した。

孫社長は、1)黒字回復基調、2)株主価値5兆円増、3)スプリントのTモバイルとの合併が最終段階入り──の3点を潮目の変化と説明した。

10―12月のファンド事業の損益は2251億円の赤字だったが、前期(7―9月)の9702億円の赤字から赤字幅が縮小したほか「12月末から1カ月ちょっとで約3000億円を超える額が利益に乗っている。事実上、黒字転換したと言える」と述べた。

12月末に傘下のビジョン・ファンドが保有する投資の未実現評価損失は7273億円となった。88銘柄を保有し、投資額合計746億米ドルに対し、公正価値合計は798億米ドル。29銘柄で公正価値が増加し未実現評価益52億ドルを計上したが、31銘柄で未実現評価損121億ドルを計上した。

孫社長は、ソフトバンクGについて「実質的に投資を本業とする会社に生まれ変わっている」と説明し、重要な指標は営業利益などでなく「株主価値」との持論を改めて強調した。保有株式価値が9月末の26兆円から2月12日までに31兆円に拡大しており、それぞれ純有利子負債を除いても株主価値は5兆円程度増えたとし「これが最も重要な成績の結果ではないか」と述べた。

孫社長は「スプリントとTモバイルの合併は最終段階に入った」とも強調した。傘下の米携帯通信4位スプリントと同3位TモバイルUSの合併について、米ニューヨーク州南部地区連邦地裁は前日、認める判断を示した。複数の州などの司法長官が、両社の合併は競争を妨げ、値上げにつながるとして合併差し止めを求めていた。

2019年4─12月の営業損益(国際会計基準)は129億円の赤字だった。前年同期は1兆8590億円の黒字。通信会社のソフトバンクは増益だったが、ファンド事業の損失が響いた。

傘下の中国電子商取引(EC)大手アリババグループの香港上場時の新株発行に伴い、持分変動利益3318億円を計上した。当期利益は前年同期比69.0%減の4765億円だった。

同社は通期見通しを開示していない。リフィニティブがまとめたアナリスト18人による通期の連結営業利益予想の平均は8611億円。市場の当期利益予想は8195億円。

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