鉄道輸送に事業者の帰り便活用…アークスの物流最適化戦略とは
アークス(北海道)は、北海道・東北・北関東を拠点に、ラルズ(北海道)、ユニバース(青森県)、ベルジョイス(岩手県)など食品スーパー(SM)10社を傘下に抱える流通グループだ。同グループは商圏エリアが広大で、かつ各SMで事業環境が異なるなか、物流事業者ら取引先との関係を築き、物流ルートや拠点、トラックへの商品積載計画などを協力して緻密に設計することで、物流効率化を実現している。
物流体制の一元化は必ずしも効率的ではない

アークスは、グループ会社が対等の立場でつながる「八ヶ岳連峰経営」を掲げ、情報システムなどの基盤をグループで共通化しながら、各地域に根差した事業運営を行っている。物流体制についてもこの方針は同じだ。アークス傘下のSMでは各地域の状況に応じて物流体制を独自に構築してきた。アークス執行委員かつラルズの専務取締役ロジスティクスグループ担当で、アークスの現在の物流構築をけん引してきた松尾直人氏は「アークスは事業エリアが広大で、かつグループのSMの事業規模が一様でない。そのため、物流体制の集約や、TC1型やTC2型(※)など物流の形態・方式を統一することが必ずしも効率化につながらない」と説明する。
※TCはトランスファーセンター(通型型物流センター)のことで、基本的には在庫を持たず、荷物を開梱し、検品・仕分け・トラックへの積み替えなどを行う。TCのなかでも1型は、工場などの入荷元から、発送先の店舗ごと用にすでに仕分け・梱包された商品が納品される。一方の2型では複数の配送先分の商品が総量がまとめて入荷される方式で、1型と異なりセンターでピッキング作業を要する

しかし物流の効率化は必要不可欠だ。そこでアークスが物流構築のうえで意識してきたのが、物流事業者との対話である。「配送の現場を支える運送会社が抱える困りごとなどの声にも耳を傾けながら、長年かけて関係性を築き、物流網の構築や改善に取り組んできた」(松尾氏)。
帰り便活用にモーダルシフトも推進
アークスで注目したいのは、自らでグループ内物流ネットワークを組み上げ、コントロールしている点である。
たとえば、
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