30期連続増収増益のヤオコーに忍び寄る「客数減」
「客数減の一番の要因は、食品スーパー同士の競争」
順調に見えるヤオコーだが、懸念材料もある。それは客数の減少だ。
すでに発表済みの流通各社の最新決算を見ても、客数減に苦戦する企業が目立っている。ヤオコー単体の既存店客数も同0.9%減と前期実績を下回った。直近過去5年間でヤオコーの既存店客数が前期実績を割った例はなく、客数減が深刻であるのが窺える。
客数減の要因について川野社長は「分析しているが、明確な答えはない。ドラッグストアの影響も一部ではあると思われるが一番は食品スーパー同士の競争。競合店を買い回っているお客さまが増えているのではないか」と話す。
「1km圏内のシェアは着実に上がっているので、近くのお客さまについては当社の店に来ていただいているという認識でいる。ただ、来店回数が減っている。それかまとめ買い、買い回りもしている可能性もある。お客さまの買物行動は日々少しずつ変わっているので、絶対的な客数もだが、いわゆる純客数、1km圏内のシェアを高めていくことが今後のポイントになるだろう」(川野社長)。
2020年3月期は消費増税を控え、消費が停滞することが予想される。大型投資の償却負担も続くうえ、人件費・光熱費も引き続き高止まりすると見られ、経営の舵取りはいっそう難しくなる見通しだ。先行きが不透明な中、ヤオコーは増収増益記録を伸ばすことができるか。今期の経営にも注目したい。