利益とも直結!テック企業と連携で破棄ロス削減に邁進する米国小売最新事情
サステナビリティに取り組むことは世界の小売業にとって共通の課題だ。そうしたなか、アマゾン(Amazon.com)やウォルマート(Walmart)などがしのぎを削る米国ではどのような動きが見られるのか。大手企業からスタートアップ企業までの最新施策やその背景、さらには環境問題対策のカギを握るテクノロジーの進化について専門家が解説する。
アマゾン、ウォルマートが進める最新モビリティ導入
食品メーカー大手のコナグラ・ブランズ(Conagra Brands)がユニークな冷凍食品を6月から売り出した。商品名は「イボル(evol)」。パッケージの表にカーボンニュートラルと大きく表示され、業界団体による認証を受けた正式なお墨付きブランドだ。「脱炭素」をテーマとしたブランディングを施そうというわけである。
とうとう脱炭素ブランドが登場したかと感慨深いのだが、メーカーはもちろん市場が存在すると見込んで販売している。アメリカではそれを支持する中心となっているのが若年層である。彼らに対して訴求できるのか否か、ブランディングは成功するのか否か、興味は尽きない。
アメリカは2020年にトランプ政権がパリ協定からの離脱を決めたが、昨年ジョー・バイデン氏が大統領になり復帰したことは周知の事実だ。地球環境問題に対して、共和党は距離を置き、民主党は積極的、という政治方針となっている。SDGsの達成度ランキングを見るとアメリカはかなり低いのだが、こういった意識の濃淡が影響を及ぼしている。
ただ、民間企業は政権が変わるたびに修正するわけにはいかず、基本的にほとんどの企業が2030年に向けての目標を立てている。小売企業も例外ではなく大手企業はみな包括的なプログラムを実施していて、それを積極的にニュースとしてリリースするので頻繁に目にすることになる。
本稿を執筆時点では、アマゾンが自ら開発した宅配用電動自転車を英国ロンドン市内で使用を開始すると発表している。電動なのでゼロカーボンで、クルマの混雑緩和にも貢献して炭素排出量を削減、これに電動宅配バンも組み合わせることで、同社が掲げる「30年までに全宅配の50%をゼロカーボンとする」という目標に一歩近づくと宣伝している。
一方のウォルマートはというと
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