生鮮のサステナブルなサプライチェーンを構築するためにいま、すべきこととは
食品小売企業が抜本的にサステナビリティを推進するには、サプライチェーン全体で改革を図る必要がある。そうしたなか早期から食品小売企業の青果流通のサプライチェーン最適化を手掛けてきたのがイーサポートリンク(東京都/堀内信介会長)だ。同社のこれまでの取り組みや今後の方策から、今後、食品小売企業とりわけ食品スーパー(SM)が進めるべきサプライチェーン改革のヒントを提示する。
国内青果流通システムを構築してきたパイオニア
青果は食品の中でもサプライチェーンの管理が煩雑で難しい商材だ。生産者、加工業者、卸売業者、運送会社、食品小売店らが介在し、生産、加工、仕分け、輸送といったプロセスごとに情報が分断されているため、ムダ・ムラ・ムリが発生しやすい。また、企業ごとにシステムや商品コードがバラバラで、商品の流通過程を追跡できないのも課題となっている。
そうしたなかイーサポートリンクは1998年の創業以降、青果に特化した流通システム事業会社として、青果流通全体の最適化に取り組んできた。サプライチェーンを構成する各企業の流通情報を、オンライン上で一元管理することで流通プロセスを効率化し、商品のトレーサビリティも担保できるのが強みだ。これは青果流通の量やタイミングを調整できるため食品ロス削減にもつながる。
2002年に、国内初といわれる青果のサプライチェーン全体を可視化する独自システム「イーサポートリンクシステム」をリリース。ドール(Dole)やスミフル(Sumifru)ら大手輸入青果サプライヤーの果実が、品質を担保しながら日本国内で流通できるようにする基盤を構築してきた。
09年には、食品小売企業と、その各取引先との受発注・決済状況をリアルタイムで連携することで、消費傾向に即した売場づくりを可能にする「生鮮MDシステム」を開発。国内大手食品小売チェーンの生鮮品受発注にも採用され、今では1800社以上が導入する国内最大級の生鮮EDI (企業間の電子データ交換)となっている。
さらにイーサポートリンクは農業支援事業を展開しているのも特徴だ。
サステナブルリテイリング の新着記事
-
2022/08/31
サステナブルと業績は相関する!データで示す小売業のSDGs経営の実践とは -
2022/08/31
利益とも直結!テック企業と連携で破棄ロス削減に邁進する米国小売最新事情 -
2022/08/31
2030年までにゼロエミッションめざす欧州・ケスコの取り組みとは -
2022/08/30
生鮮のサステナブルなサプライチェーンを構築するためにいま、すべきこととは -
2022/08/30
サプライチェーン全体で持続可能性を進める日本アクセスのSDGs戦略とは -
2022/08/30
小売業巻き込み、食品トレーのリサイクル、再生トレーの普及進めるエフピコとは
この特集の一覧はこちら [13記事]
関連記事ランキング
- 2024-10-01トライアルら出店でスーパーマーケット超激戦区に、宮城県利府エリアの勝者は?
- 2024-09-103期以上連続増収増益SMは3社、前年と同じ顔触れ ヤオコーとあと2社は?
- 2024-09-10食品スーパー売上高ランキング2024 上位の順位変動が示す弱肉強食
- 2024-09-30セブン&アイと外資、オーケー関西進出後…専門家が語る流通業界再編のゆくえ
- 2024-09-17中国・四国の小売業県別売上ランキング2024 売上高8000億円超!新生フジが存在感
- 2024-09-25市場規模拡大、寡占化進行!小売業12業態、最新市場規模&占有率2024
- 2024-09-14関東の小売業都県別売上ランキング2024 オーケー、ベルクが2ケタ増収!
- 2024-10-02ミドルシニア特化の旗艦店、ヤオコー久喜吉羽店の売場づくりを徹底解説!
- 2024-09-25独自調査で判明!食品スーパー、市場規模&市場占有率2024
- 2024-09-17近畿圏府県別小売業売上ランキング2024 ライフ好調維持、大手は最終減益も