経営戦略にサステナブルを組み込み、持続可能な小売業に変革する方法
SDGs経営と業績には相関関係がある!
そんななか先進的な食品小売企業はサステナブルな施策を加速させている。
最近の注目すべきトピックスは、中期経営計画といった成長戦略の中に「SDGs」や「サステナビリティ」を組み込み、これを実行することで企業成長の実現をめざす企業が増えている点だ。
たとえば、食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地(東京都)は21年5月、新たな成長戦略として「サステナブルリテール戦略」を発表。テクノロジーの力も掛け合わせて、食の社会課題解決と収益性向上をともに実現する、小売業のリーディングカンパニーをめざすとしている。
東京都を中心に首都圏で食品スーパー(SM)を展開するサミット(東京都)も、22年度までの3カ年中期経営計画「GOGREEN2022」において、SM事業を通じて、地域の社会課題の解決にも貢献する組織となることで、選ばれる存在になると経営戦略に掲げている。
また、国連持続可能な開発サミットで採択されたSDGsや、COP21(国連気候変動枠組条約締約国会議)で採択されたパリ協定で掲げる2030年、50年の目標に向けて、自社で達成をめざす独自の数値目標を掲げる企業も増えてきた。
しかし、このように経営における重要指標として掲げるほど、サステナブルな施策は企業の成長につながると本当にいえるのだろうか。
この疑問に対して今年6月に発売された書籍『小売業の実践SDGs経営』の著者である渡辺林治氏・篠原欣貴氏は「SDGs経営と小売業の業績との間には有意な相関関係がある」と指摘する。調査・分析したデータでは、直近の業績好調な企業はSDGs経営を重視し、CSR(企業の社会的責任)報告書の作成や環境配慮型商品の導入などに積極的に取り組んでいるという。そして厳しい外部環境下でかつ競争が激化する今だからこそ、小売企業はサステナビリティを経営戦略に融合させた、SDGs経営に取り組むことが重要だと説いている。
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