いま「知らなきゃいけないアパレルの話」とは
アパレル産業がダメになる、単純な構図とは
例えば、経済のいろはの勉強を全くせず、非常に大きな産業界の意思決定に関わっている人も見た。私が事実と論理をもって反論しても耳を傾けようとしない。私は、喧嘩を売っているのでなく議論をしようとしても、そもそもの知識レベルに大きな差があるため議論にさえならない。また、匿名で私に対する妬みをSNSに書き綴り、議論さえしようとしない。これが、アパレル業界が何も変わらない元凶であり構造だ。彼らは、このように公式戦には決して姿を現さないが、非公式な場では「この産業はやばい、あの会社はやばい」と噂話ばかりをしている。
アパレルというマイナーな産業に関する書籍は売れないという理由から、私の処女作は、内容はアパレルの話だが、題名は『ブランドで競争する技術』(ダイヤモンド社)となった。おかげでこの本はアジアでも出版され、台湾や中国からいろいろなファンレターが舞い込んできた。この本は二年の歳月をかけて書いた本で、今から10年以上も前に書いたのだが、この本こそ今アパレルの人達に読んでもらいたいと思っている。
そして、第2冊目『生き残るアパレル 死ぬアパレル』(ダイヤモンド社)は、辣腕編集長である阿部氏との出会いを抜きに語ることはできない。彼のたくみなマーケティングセンスのおかげで、この本はコロナ禍にも関わらずベストセラーとなった。そして今回、『ブランドで競争する技術』を超える、10年使える教科書として将来の改革の侍(サムライ)達に残そうという志のもと、第3作となる書籍のプロジェクトはスタートした。
新著『知らなきゃいけないアパレルの話』は、こうして完成した。発売は9月7日だがすでに予約は開始されている。私からは、「知らなければならないアパレルの不都合な真実」というような題名にしてもらいたい、という申し出をした。「西村博之」さんの、二匹目のドジョウを狙ってのことだと思われるかも知れないが、内容も題名にそったものであり、決して二匹目のドジョウではない。
アパレル産業というニッチな業界に特化し、学者が書く一般論でなく、実務家である私が書くことに大きな意味がある。アパレル産業界に従事する方の目を覚ますと同時に、これを貴重な事例として金融機関、他産業のビジネスパーソンから学者まで、すべてのビジネスパーソン、マネジメント層に向けて発表するという大きな実験だ。
私が本書で言いたかったことは、「ユニクロだけが一強で世界一となり、それ以外の企業は崩壊の淵にあるその本当の理由」だ。この難問の答えの1つは、意外に簡単なところにある。それは、我々自身の中にある他責根性と、「明日考える」と問題を先送りにしながら年を重ね、いつしか自分自身が既得権者になっているためだ。
このほか本書では、「今、服が売れない」本当の理由、SDGsがアパレル産業を壊す背景とこれから、アパレル産業が環境破壊する元凶である過剰在庫撲滅の方法、ユニクロ、百貨店、伝統的アパレルの10年後、アパレルが生き残るための最終条件など、今、「知らなきゃいけないアパレルのこと」を網羅した。
本書は、いままで私に対する批判であった、「課題はわかった解決案を出せ」という声に十分応えたものだ。とはいえそもそも論を言えば、解決案は個々の企業によって異なるのであり、本当の回答は、個々の事情に応じた戦略を立て、それを「やり抜く」ことにある。その具体的な方法論についても本社では丁寧に解説している。
ぜひ本書を手に取っていただき、健全なご批判をお待ちしています。
河合拓氏の新刊がいよいよ9月に発売決定!
「知らなきゃいけないアパレルの話」
アパレルはSDGsに殺される!なぜ多くのアパレルは青色吐息でユニクロだけが盤石の世界一であり続けるのか!?誰も書かなかった不都合な真実と逆転戦略を明かす、新時代の羅針盤!
書籍の予約は:『知らなきゃいけないアパレルの話』まで
プロフィール
河合 拓(経営コンサルタント)
ビジネスモデル改革、ブランド再生、DXなどから企業買収、
デジタルSPA、Tokyo city showroom 戦略など斬新な戦略コンセプトを産業界へ提言
筆者へのコンタクト
https://takukawai.com/contact/
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