U.S.M.H21年度決算速報!藤田元宏社長が強調した「OMO実現」のための道筋とは
決済周りの変革進めるマルエツ カスミは渾身の新業態「ブランデ」を投入
事業会社別の21年度の取り組みを振り返ると、マルエツは既存店活性化に全投資額の約3割を注ぎ込み、20店舗で改装を実施。フルセルフレジの導入による総菜や冷凍食品や売場拡大、鮮魚寿司「魚悦」や窯焼きピザなどの新規MD(商品政策)の投入を推進した。また、小型SM「マルエツプチ」など作業場を持たない店舗へ商品を供給するサテライト店舗の設置も進めた。
さらにレジレス決済サービス「Scan&Go」は全店で、フルセルフレジは導入が可能な店舗のほぼ半数に導入を完了。ネットスーパー「オンラインデリバリー」の対応店舗は35店舗、企業内立地の無人店舗「スマートプチ」の店舗数は18店舗まで拡大している。
カスミで大きなニュースとなったのが、新業態「BLANDE(ブランデ)」の出店だ。今年1月に「ウエルシア薬局」と売場を融合させた1号店「つくば並木店」(茨城県つくば市)をオープンしたのに続き、2月には食の領域に特化した「研究学園店」(同)を相次いで出店。地場商品を中心としたオリジナルブランド「MiiL KASUMI(ミール・カスミ)」の大量投入や、ブランデ独自の会員プログラムの展開などで注目を集めた。
U.S.M.Hの藤田社長は「(U.S.M.Hとしての)新たなSMのかたちを模索するための取り組みの集大成。オンラインとオフラインが融合した新しいビジネスモデルとまでは至っていないが、今後もMDやマーケティングの領域を含め、進化させていきたい」と言及。このブランデ業態がカスミだけでなく、U.S.M.Hとしての新たな店の在り方を示す重要な位置づけであることを示唆した。
マックスバリュ関東は20年10月にリニューアルオープンした、「おゆみ野店」(千葉県千葉市)を源流とする買物体験型SMの売場づくりの既存店への水平展開を推進。同時に小型のエクスプレス業態の活性化も進めた。商品面では開発と仕入れ能力の強化を行い、鮮魚寿司やインストアベーカリーの拡大などによって、生鮮・デリカの売上高構成比を40%に高めている。